無意識に嬉しいことばを口に出来る習慣をつけるには、トライアンドエラーを繰り返すしかない。「エラーは成長に必要な宝物」と思えばいい。
ネガティブ表現は無意識に口をついて出てくるので、
意識的にポジティブ表現にするには、相当な努力が必要だ。
そんな努力をしてきた松本秀男さんの本には説得力がある。
去年、さだまさしさんのマネージャーに大復活した松本秀男さんは、
日本ほめる達人協会顧問でもある。
家業のガソリンスタンド経営を経て、45歳で外資最大手の損害保険会社の代理店研修生になったが、月収2000円のどん底から「言葉を変える」ことでトップ営業に躍り出た。
言葉を「ちょっと」変えるだけで、人生にブレイクスルーが起きると、体験談をもとにひもとく。
松本さんをダメ営業からトップ営業にしたのは、「すみません」を「ありがとう」に変えたからだ。「失敗した」を「成長した」に言い換えたからだ。
成長する謙虚さを感じる言葉に「わりと得意です」がある。自慢しすぎず、謙遜しすぎず、自然にアピール出来る。
ピンチのときは、「これは何のチャンス?」と考える。さらに「どうしたら日本一の謝り方が出来る?」とスペシャルな修飾語を交ぜる。手放しで自分を応援してくれる。
「なにくそ!」と燃えるのもいいが、ブラックエンジン。燃費が悪い。
「もっとがんばろう!」のホワイトエンジンの方が効率がいい。
ほめるとは、価値を発見すること。人と比べてほめない。その人の成長をほめる。自分への貢献を称えるといい。
言葉が衣服のようなもの。身にまとう言葉で、人はまったく違ってみえる。衣服に合わせて、その人自身も変わっていく。