ラジオが重要な小道具 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

またNHK朝ドラにハマり始めた。

『カムカムエヴリバディ』の第一部ヒロイン安子を演じる上白石萌音さんは、中年オヤジのアイドルだそうだ。いじらしさがなんともいえない。安子の結婚相手の稔役の松村北斗さんは、ジャニーズSixTONESのメンバーの一人。男のボクでも胸キュンとなる。

学徒出陣前に、ようやく結ばれた二人だが、「安子と稔が一緒に暮らせたのは、ほんのひと月足らずでした」という語りに、先行きが案じられる。稔は生還するのだろうか…。

 

安子が母に「パーマネントをかけてええ?」と聞いたとき、ラジオからニュースが流れ、「満蒙国境のノモンハンに外蒙古の兵が侵入して軍事衝突」と放送されていた。

14歳の安子は意味がわからず、祖父に尋ねると、「満州で戦闘じゃ」とだけ祖父は答えている。 日常生活に突然飛び込んでくる軍事衝突のニュース。この唐突さが、昭和14年のリアルなのだ。 

 

『カムカムエヴリバディ』では、

ラジオが有効な「小道具」として使われている。

節目節目にラジオニュース音声が流れる。

戦争に突入し、庶民はしだいに不自由な生活を強いられていく。

砂糖は手に入らなくなり、お菓子も作れなくなる。

ジャズも敵性音楽とされ、禁止され、個人所有のレコードも供出対象となり。球児憧れの甲子園球場も解体される。

安子は千人針に協力しながら、2人の運命を左右する学徒出陣決定のニュースを耳にする。

 

なにより、稔に教えてもらった「ラジオ英語講座」。

ラジオから流れる「英語」に安子は夢中になる。

憧れの稔と入った喫茶店で、初めての珈琲を飲んだ安子は、そこでルイ・アームストロングの『オン・ザ・サニーサイド・オブ・ザ・ストリート』を聞く。ルイ・アームストロングの声から、新しい世界を感じ、未来を感じ、何か別の素敵なことが起こりそうな気配がしてくる。

そう酔いしれていた安子をよそに、世情は騒然としはじめる。

いきなりラジオの臨時ニュースが日米開戦を告げる。

そして、英語講座の放送も中止される。

 

ラジオが歴史を伝えてきた。

ラジオが歴史を刻んできた。

ドラマの中で、ラジオがどんな役割を果たすのか、気になる。

明日からの第4週の展開にも目が離せない。