北杜の風(弐)~「ひらがなの生き方」の書 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

「をの屋」では、テータイムに贈呈式もあった。

ボクが作詞した「ひらがなの生き方」を書家の塔下游心さんが

精魂込めて書に認め、額装して持参してくださったのだ。

 

塔下さんが、6月の上田でのことば磨き塾に参加された折り、

彼女の車に乗せていただいた。

そのとき、「ボクが書いたひらがなの詩を書いてもらえたら嬉しいな」と軽く口走ったことが、今回実を結んだのだ。

彼女は、何回も何回も書き直してくれたそうだ。

 

繊細な線の出る細めの筆、クレヨンの様な少し稚拙な線の出るものなど、いろいろ試されたそうだ。素朴な品の良い線の出る筆がよいと判断して、写経用の小筆を使用されたそうだ。 

紙は、たまたま田舎の蔵に残っていたものを分けていただいたものだそうだ。古紙は風合いに存在感があり、墨の色もよく映える 。仮名をかくのに適したの染め紙だ。

額にも風合いがある。軽井沢の70代前半の家具職人さんの自慢の額だという。普通の洋額は角を斜めにカットして張り合わせてあるが、この額は縦横を張り合わせてあり、伝統文化の書に合う。

墨は、クリフトンカーフさんの遺したものを摺って使った。墨も古いほど味が出るので、擦った時の色がとても落ち着いていて、書いていて楽しかったそうだ。 クリフトンカーフさんは、アメリカから日本へ来て、晩年は金沢の茶屋街にアトリエを構えていた墨絵画家さんだそうだ。

 

そんな由緒のあるものを使い、ひらがな一文字一文字に想いを込めて書いてくださり感激。

感謝の気持ちを込めて、その場で自作を朗読したら、塔下さんご自身が嬉しい感想をfacebookに書いてくださった。

「心に響くお声と、魂を宿した言葉が、柱時計のカチカチと鳴る空間に

響きます。はじめて聴いた82歳の母が涙ぐんでいました。書家としてはとてもありがたい瞬間でした」