小山薫堂さん「京都という学校」 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき
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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

zoomで受講してきた「京都学」。

最終講義は、京都芸術大学副学長の小山薫堂さん。

「おくりびと」でアカデミー賞を受賞し、「くまモン」を生み出し、

人の喜びや幸せを第一義に考える企画を次々打ち出してきた

アイデアマンだ。

大阪万博のプロデューサーの1人として多忙を極める。

老舗料亭「下鴨茶寮」の主人でもある。

京都には何度も足を運び、京都との縁も深い。

小山さんにとって、京都は学ぶことの多い学校だという。

 

小山さんは、「普通」を考えている。

学生時代から普通とは何だろうと自問自答してきた。

数年前、小山さんは、茶器を買い求め、割らないように気をつけて運んでいたら、枯葉の下に隠れていた木につまずいて転んだ。高価な茶器は一つも割れなかったが、小山さんは足を骨折し、1ケ月入院した。

だが、そこは小山さん、骨折り損にはしない。

神様から時間のプレゼントをもらったと考え、病室を「茶室」にしてしまった。「惚節庵(こっせつあん)」と名付け、お軸も飾り、茶器も置いた。

選りすぐりのお抹茶とお茶菓子で持てなした。

楽しい入院生活の工夫をあれこれ考えながら、普通の有難みも嚙み締めた。

コロナによって人々は、「普通」の尊さに気づいた。

小山さんは、コロナの「せい」ではなく「おかげ」を見つけるようにした。

これまで見えなかった価値に気づかせてもらい、視点を変えて企画を作る大きなヒントをもらえた。

京都ゆかりの芸術家、河井寛次郎は、こんな名言を残している。

「葉っぱが虫に食われ、虫が葉っぱを食っているように見えるが、葉っぱが虫を養い、虫は葉っぱに養われていると見ることも出来る」

河井の言葉から、価値観の転換をすれば、ものの見方ががらりと変わることを教わった。

このほか、清滝の茶屋のおばあちゃん、帆布の職人、楽焼の陶芸家、器の目利きの専門家…京都にはお師匠がいっぱいいる。

 

京都と「くまモン」の共通点にも言及した。

それは「和」。和む、和らげる、和える。

京都もくまモンにも、コラボしたくなる要素が数多くある。

誰もがとまりたくなる「指」がある。

そして、

「教養は、人を許すためにある。

知性は、人を和ませるためにある。

学びは、生きる喜びを増やすためにある」という言葉で締めくくった。