春分の日に「大笑い」 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき
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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

笑った。笑った。大いに笑った。

昨夜、落語家・桂文珍さんの芸歴50周年記念独演会に行ってきた。

国立劇場で、本来なら20日間40演目に挑戦するはずだった。

だが、おりからの自粛ムードの中で、公演は短縮された。

それでも、振替公演も含め、のべ14日28演目はやると決めた。

こういうときだからこそ「笑いが必要」との勇断だ。

 

国立劇場大劇場を借り切っての20日間公演。

40周年のとき、10日間公演をやったが、

ならば50周年はと倍の20日間に増やした。

古希を過ぎたというに、なんという体力気力。

すべて完売していたそうだが、この日は閑散としていた。

1600人は入れる大劇場だが、300人もいただろうか…。

キャンセルが相次いだようだ。

赤外線サーモグラフィーによる検温、アルコール消毒、客席の扉を開け放っての換気など、感染予防の措置を厳重にとって、開演にこぎつけた。

冒頭、白衣にマスク姿の文珍さん登場。

「濃厚接触しなくて済む、ちょうどいいい空き具合ですなぁ」と空席の目立つ状況を逆手にとる。

「神戸から大阪に移動できひんから、ひっそりと昨日の夜、東京に来ましたんや」と、これまた大阪府の措置を逆手にとる。

「桂文珍から、桂ワクチンに名前変えよ思います」と笑いをとる。

コロナビールの座布団を手に入れ、そこに座って、ウイルスを封じ込めるというギャグパフォーマンスも披露してくれた。

 

この日、ゲストに招かれたのは、柳家花緑さん。

「昨日まで休演していて、きょうから再開。その日に巡り合えるなんて奇跡!」と喜ぶ。

自称スピリチュアル風味の花緑さんは「きょうは、春分の日。この日は宇宙的には元旦なんです」と教えてくれた。

昼と夜の長さが一緒になる春分の日。太陽が牡羊座の位置に入る新たな分岐点になる日だ。

さらに「不安がって笑わない人は免疫力が3分の1に落ちる。笑えばそれだけ免疫力が上がる。ここに来た人は幸福な人」と言う。

川越胃腸病院の望月智行院長も「にもかわわらず笑う力」が大切と言っている。笑う力は人間の生きる力に直結している。笑える状況でないときこそ笑うことなのだ。

 

鬱屈とした空気の中、いまこそ笑いが求められる。

笑いは、鬱屈を吹き飛ばしてくれる。

落語に登場する「訳わからん奴」「困った奴」たちが「まぁ、ええがな」と言うてくれる。

文珍さんも50周年を「折り返し」とのたまう。その視線は、まだまだ先を見据えている。その心意気にも元気をもらえた。

文珍さんの独演会は、24日まで続く。