戦前の教科書 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

戦前の授業では、国語に重きが置かれていた。

大正8年から昭和15年までの間、

尋常小学校1年生の週21時間のうち10時間、

2年生は週23時間のうち12時間が国語に割かれていた。

授業の半分は国語だ。

その中で、季節の風物や家族や生き物への情愛を教えた。

 

その一方で、

尋常小学校の6年間で、国際的視野を持てるようになることを

目指していた。 

教科書に取り上げたのは、日本の偉人だけではなかった。

海外のことも積極的に取り上げ「世界の中で生きていく自覚や覚悟」が

定まるように考えられていた。

そうして、6年生の最後には、「我が国民性の長所短所」を学んだ。

「廉恥を貴び、潔白を重んじる美徳」は評価しながら、

「飽きやすく諦めやすい性情」が潜んでいると分析している。

戦時下になると、国威発揚のため、長所ばかりが説かれた。

戦後になると、自虐的な否定的な短所ばかり述べ立てた。

戦前は、長所短所の両方を上から目線でなく取り上げていた。

 

現代の歴史教科書は、出来事と年号を覚えることに終始し、

「日本人のメンタリティーを育んだ歴史」を学ぶ視点が欠けていると、著者の日下さんは断じる。

戦前の教科書は、歴史物語の宝庫だった。

暗記したことは忘れてしまう。

心に残ったことは忘れない。

戦前の教科書を読み返してみる価値はある。