金田明夫さんは、いくつの顔を持つ!? | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

先日、「おしん」を見ていたら、若き日の金田明夫さんが出ていた。

おしんの姉の想い人の役だった。

金田さんといえば、「3年B組金八先生」の北先生役が思い浮かぶ人も多いだろう。16年に渡って演じた。金八先生をいつも口うるさく注意していた社会科の先生だ。

テレビや映画の画面には、あっちにもこっちにも金田さん。

時代劇では、殿さまより家臣。現代劇では、刑事や教師、銀行員などビジネススーツ姿のイメージ。中間管理職が多い。

ドラマに映画に欠くことの出来ない名バイブレーヤーだ。

 

おひざ元の演劇集団「円」では、舞台の要だ。 これまでも「リチャード三世」「マクベス」「オセロー」に主演してきた。

そして、このたび「ヴェニスの商人」では、高利貸しのシャイロックを演じる。アントーニオに無利子で金を貸すが、期限までに返済出来ないと肉1ポンドを切り取るという条件をつける。血も涙もないシャイロックなのだが、金田さんが演じると、なんだか愛すべき存在になってしまう。

ただただ非道なのではなく、娘を愛する優しい父の顔、自分の選択に対する葛藤も滲み出ている。

シェイクスピアの作品は、人間群像劇。愛憎、偏見、葛藤、犠牲、裏切り、誤解・・・様々な人間模様が散りばめられている。

金田さんは、稽古場で「宝さがしをしよう」と言うそうだ。シェイクスピア劇の台本から、演者がどんな宝物を見つけ出すのか、そこに作品の成否がかかっているともいえる。そして、舞台では、観客がどんな宝物を見つけ出すのか。役者との駆け引きも待っている。

 

「ヴェニスの商人」は、13日(日)まで、吉祥寺シアターで。

 

(1983年 おしん出演時)