木の上の軍隊 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。


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舞台には、存在感のある大きなガジュマルの木。

役者は3人だけ。2時間近い舞台、出ずっぱりだ。

上官役は、ベテラン山西惇さん。

新兵役は、進境著しい松下洸平さん。

ガジュマルの精霊役は、琉歌も歌える普天間かおりさん。

普天間さんからご案内をいただき観劇してきた。

 

沖縄・伊江島のガジュマルの木に、終戦を知らない日本兵が

2年間潜んでいた実話をもとにした芝居。

故・井上ひさしが、亡くなる直前まで舞台化を構想していた。

彼の遺した膨大な資料とたった1枚のメモをもとに、気鋭の脚本家・

蓬莱竜太さんが書き上げた。

登場人物は3人だけ。

本土出身、生真面目で戦場経験の豊富な上官。

島出身の純真無垢な新兵。

彼らを傍らで見守るガジュマルの木に棲む精霊。

ガジュマルの木の上から、

日に日に大きくなる敵軍の野営地を眺めながら、

2人の兵士は、敵の食糧を貪りながら生き抜いていく。

怯えたり、それを振り払ったりしたりしながら、

2人の抱える矛盾が描かれる。

 

きょうは、終演後、3人の出演者によるトークショーがあった。

山西さんは、「いまその場で起きている出来事というライブ感を大事にしている。完成させたらいけないと思っている。再々演だが、初演の頃とは時代状況も変わり対岸の火事とは思えない。観客の共感も濃い気がしている」

松下さんは「毎回、新たな発見がある。何回やっても正解はない。多くを理解しないほうがいいような気がする。セリフの中に、『守られているものに怯え、怯えながらすがり、すがりながら憎み、憎みながら信じるんです』ということばがあるが、信じることしか出来ない」

普天間さんは「俳優でない自分がやることに不安もあったが、ウチナンチュの血が騒いだ。やるしかないと。ガジュマルの木は全員を助けたいと思っているはず。いくさを憎んでいると思う」

 

きょうは、たまたま47年前、沖縄が日本に返還された日。

その後も沖縄が背負っていることに想いを馳せる芝居だ。

19日まで、東京・紀伊国屋サザンシアターで上演され、

6月26日、初の沖縄公演が予定されている。

その後も九州各地を回る。

多くの人に見てもらいたい。

 

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