恵比寿アートカフェフレンズでのトークライブ。
今夜のゲストは活弁士の佐々木亜希子さん。
昭和初期、8000人はいたといわれる活弁士だが、
いまでは数十人に満たないが、
「伝統芸」に新たな味付けをして受け継がれている。
「無声」のままだと、いくら想像力をたくましくしても、のめりこめない。
だが、ひとたび「活弁」がつくと、登場人物たちがいきいきとしだし、
観客も映像に引き込まれる。
活弁士によって語る内容も変わる。
現代の話題も取り入れ、興味をそそる。
この日は、まず『チャップリンの忙しい一日』で会場爆笑。
佐々木さんのNHK山形時代の掘り出し映像も公開。
誰にもたどたどしい時代があったのだ。
そして、ムラカミも活弁に挑戦。
題材は、海の日にちなんで『海浜の女王』(1927)。
水泳あり、カーチェイスあり、女装あり、乱闘ありの大活劇だ。
ボクは、オネエ役、社長役、婚約者役、実況中継と、
声色変えて、楽しませてもらった。
音声ガイドつきのバリアフリー映画も紹介した。
佐々木さんは、障がいのあるなし問わず、みんなが同じ場所で映画が楽しめる活動にも取り組んでいる。
締めは、時代活劇「血煙高田馬場」。
大河内伝次郎、若き日の伴淳三郎の懐かしい顔が出てきた。
「1本の古いフィルムに命が注ぎ込まれるのを感じる」という感想が
あったが、その通りだと思う。
佐々木さんも居場所を求めたどたどしい時代もあったが、
いまは、自分の役目が見つかり、
確かな手ごたえを感じていることが、語りにも表れている。