丹波で結びつこうよ | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

丹波、丹波篠山、京丹波、丹後…、

東京人から見たらややこしいことこのうえない。

どこがどう違うのか、どこに位置するのか、さっぱりわからない。
ムラカミも丹波市エグゼクティブアドバイザーを拝命し、

丹波市の知名度アップにやっきになってきた。
丹波の小豆は赤いダイヤモンド、篠山の黒豆は黒いダイヤモンドなどと、

区別する発言を繰り返してきた。

だが、祇園で案内された丹波ゆかりの店に行って、少々、考えが変わった。

丹波の中で、区別せず、ライバル視せず、丹波という名のつくもの同士、

協力し合っていったらいいのではないかと思う。

大げさにいうなれば、「大丹波構想」だ。






風情ただよう祇園・巽橋から切通沿い、

とても1回では見つけづらい場所に、その店はあった。

今年3月にオープンしたばかりの「丹くろ」だ。

京丹波産の食材を生かした和食と

丹波ワインを中心とした国産ワインが愉しめる。
1Fはカウンターのみで予約制の会席料理。

夜10時以降は国産ワインのみを取り扱うワインバーになる。
2Fはオープンキッチンのカウンターとテーブル席のカジュアル割烹。
内装は町家のたたずまいを生かしながら随所に土壁を残し、

和紙作家の堀木エリ子さんによる和紙照明で暖かみのある空間だ。

その堀木さんに、ご紹介いただいた。


店のHPには、以下のようなことが書いてある。

京丹波では、黒豆や栗、松茸が有名。
古来から、食の宝庫として京都や大阪の町へ食材を供給してきた。

米や黒豆をはじめ、野菜や豚肉、鶏肉、牛肉や山菜、鮎など、

魚介類以外はすべて生産できる芳醇な土地、それが丹波だ。

あれ?これって、京丹波の「京」がなければ、

丹波の触れ込みと同じではないか!


1979年から、

京丹波でワインを作り続けている「丹波ワイン」が、

地元の食材を京都の和食として気軽にワインとともに愉しんでもらいたいと、

この店をオープンした。
京丹波の生産者が大切に育て上げた農畜産物を、

料理人が丁寧に出汁を引いて味を引き出し、

ソムリエが料理1品1品にワインを合わせていき、客に供する。

ワインと料理と生産者と客。

人の手によって結んでいく「縁」のようなお店というのがコンセプト。
そこが、丹波市の試みにないことだ。


ワインを飲みながら、考えた。

ここに、丹波市の食材も、丹波市の酒も合流すればいいのではないか・・・。

いい発酵が起こりそうな気がする。

大同小異で、丹波の名に連なれば、

大いに互いをアピール出来るのではないかと思うのだ。

さっそく、オーナーに、「丹波」の売り込みを図った。