あのときのままの富岡 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。


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富岡町で見つけた「あのときのままの時計」。

人の住まない富岡は、あのときのまま時が止まっている。




常磐線富岡駅は、無残な姿のままだ。

特急スーパーひたちも止まっていたが、

あの日以来、1本の列車も通らない。

再開のメドは立っていない。

駅前には、大破した車が置かれたままだ。


福島第二原子力発電所が見える。

案内役の吉田恵子さんのお母さんは、

津波を直接見たわけではないが、「海は見たくない」と言う。

盆栽が好きだったお父さんは気力をなくしている。

一時帰宅するたびに、自宅が朽ちていくのを見るにしのびない。

いつ住めるかメドがたたないのに、やむをえず依頼した業者が、

この日、瓦の取り換え工事をしていた。

せつない気持ちで屋根を見上げた。



町営野球場に、山積みになった黒い袋。

富岡町では、最近ようやく除染作業が始まった。

その作業で出た放射性物質を大量に含んだ土や枯れ葉や草が

袋に詰められている。

除染が進めば袋の数はますます増えていく。

集まれば集まるほど放射線が高くなっていく。


桜並木を見て無口になり、街中を見て、ますます口が重くなった。

町は、3年前のままだ。復興の兆しさえない。


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