中国語方向補語について、ちょっとおもしろいブログがあったので紹介します。

 

結構面白いし、私はよく読んでます。

 

中国語の入り口としては良質のテーマを選んでるな、という印象です。

 

ま、目の付け所がいいね、ということですかね。偉そうでスミマセン。

 

私自身は30数年前に某大学外国語学部で中国語を専攻していたのですが、当時の外国語学部の方針は全国的に

 

1年生で基本的な会話と文章の読み書きはできるようになる

2年生で文法や単語、音声の本質に迫る

3-4年はゼミで専門的な研究分野で論文を書く

 

というものでした。

 

当然、書いてある単語はわかるけど文章全体の意味が分からない、では困るので、自然科学/人文科学/社会科学の三分野も満遍なく学ぶし、何なら比較文化的な授業もあったっけ。

 

外国語学部は文系なのに、なんで共通一次試験で数学が必須なのか受験当時は不満もあったけど、入学してから合点がいったって感じ。

 

因みに共通一次試験は国公立大学受験生が受験するテストね。共通一次→センター→共通と変遷してます。

 

これ、言語を問わずです。外国語学部の方針なんで。

 

ということで、当時は方向補語は2年生で学習する内容でした(習得できるかどうかは…一応単位はとりました、てへ)

 

方向補語というのは

上去/下去/上来/下来/进来/进去/出来/出去/起来

の九つ。

 

全部解説するのは大変(上中下三冊そろいの教科書になっちゃう)なので、特徴的起来だけ考えてみましょうか。

 

どう特徴的かというと、他は全部対になっている(XA/YBの形)なのに、起来だけ対照がないということ。

 

逆に言えば、起来が分かればほかの方向補語がすべてわかった…ような気になることが…できるかもしれない

 

まず、基本的な文法の話ですが、補語というのは谓语補う言葉です。

 

谓语というのは主语+谓语+宾语構成される中国語の基本文型根幹をなす言葉ですね。

 

分かりやすく日本語だけで説明すると、

 

私+食べる(主语+谓语)で文章が成立する

私+食べる+ごはん(主语+谓语+宾语)で文章が成立する

私+ごはん(主语+宾语)では文章が成立しない。※

k食べる+ごはん(谓语+宾语)で文章が成立する

食べる(谓语)で文章が成立する

※質問の回答としてのみ成立する。

 

というように、文章の根幹です。

ただし、動詞とは限りません

 

だめ+タバコ(

ここ+だめ+タバコ(

ここ+タバコ(×)※1

だめ()※2

※一見成立しているように見えるけど、ここでタバコを吸いたい、なのか吸ってはダメなのか不明。

※2何がダメなのか不明で×だけど、質問の回答としては〇。

 

のように、形容詞も谓语になります(「だめ」が形容詞なのか形容動詞なのか名刺なのかという議論はここではしませんよ、突っ込まないでね、あくまでも中国語の話なので)

 

で、谓语だけでは表しきれない情報を補うのが補語です。

 

通常は、程度、可能、結果、状態、数量、目的の6種類の補語に分かれます。

だめ+絶対(程度補語)

食べ+られる(可能補語)

だめ+になる(結果補語)

いま+だめ(状態補語)

たくさん+食べる(数量補語)

いきるため+食べる(目的補語)

 

が、状態補語の中で特に方向性を示すものを取り出して方向補語ということもあります。今回のテーマね。

 

なぜ状態補語の中に入っているかと言えば、方向補語は9個しかないから。

 

でも、この9個で中国語文法学会では論文が毎年何本も出るほど「オタクにとってはアツい」9個なのですよ。

 

因みに、中国語音韻学会、とか中国語統語論学会とか、中国文字学学会とか中国語新言語学会とか漢詩漢文学会とか唐代飲食言語学会とか宋代服飾言語学会とか三国志人名学会とかとかとか…云々…一口に中国語と言ってもオタクの世界は時代も分野も洋の東西も細かく分かれてです、沼。中には二人とか三人の超マイナーな学会もあるけど、中国文法学会(中国名「汉语语法学会」)は少しはメジャーなオタク集団です。

 

長くなってしまった。

 

全く本題に入らないまま、次回に続きます。

 

次回がいつになるかな?いいねの数次第、コメントの数次第ですね。