昨日まで、PCOSにおけるAMHについての論文を読んできたわけですが、PCOSでAMHが高いと良いことナシでした(泣)。


読んだ論文を要約すると、PCOSでAMHが高い→男性ホルモンが高い、インスリン抵抗性が酷い、メタボのリスクが高い、必然的に心血管疾患のリスクが高い(泣)。

全然良いことないですね。


気を取り直して、ひとつでもいいのでPCOSについて明るい話題を探していきたいです。

もう、どんなインパクトファクターの雑誌のどんな研究でもいいので!(見つかりますように!)


以下は私の勝手な屁理屈&妄想なので、眉に唾をつけつつお付き合いいただければと思います。


PCOSも、他の大多数の病気と同じように、遺伝と環境のコラボレーションで生じている疾患です。

地球に生命が誕生して約40億年。

ヒト(ホモ・サピエンス)が現れて約20万年。


PCOSを引き起こしやすい遺伝子群(多分単一ではないので複数形)が、生存や生殖に明らかに不利だったら、今日までPCOSという疾患がこんなに多い頻度(生殖年齢の女性の5-10%)で残っているはずはないと思います。


というわけで、PCOSに関係するような遺伝子にも何か生存や生殖に有利なものがあるのではないかと思うのです。


少し話は変わりますが、たとえば糖尿病(2型糖尿病)を考えてみます。

現代のような飽食の時代では、血糖値が上がりやすい体質の人(血糖値が上がりやすい遺伝子をもった人)は糖尿病になりやすく、糖尿病のコントロールが不十分だと心血管疾患、腎疾患、糖尿病性網膜症などの疾患のリスクが高まります。


でも、生命の歴史、人類の歴史の中で、飽食の時代になったのはつい最近のこと。

それまでは、日々の食べ物が必ず手に入るかもわからない時代だったわけで、実際、人類の歴史から見ればそんなに大昔とはいえない江戸時代でも、飢饉で多くの人が餓死していました。


血糖値は多少高くてもすぐに命には関わりませんが、低血糖は命に関わります。

なので、食べる量が少なくても確実に血糖値が上がる(血糖値が上がりやすい)人のほうが、沢山食べないと血糖値がすぐ下がってしまう人よりも生き残れる確率は高かったと思われます。


そうして生き残ってきた人々の子孫が私たちです。

現代のような飽食の時代では、血糖値が上がりやすい人は糖尿病になりやすく、今では日本国民の5人に1人が糖尿病または糖尿病予備軍という状態のようです(2012年国民健康・栄養調査)。


ある環境では有利な遺伝子が違う環境ではそうではなくなってしまう一つの例だと思います。

PCOSにもそういうことはないのかしら?と思っています。


今まで読んできたPCOSの総説や論文の中で「インスリン抵抗性」「耐糖能異常」というキーワードは何度も出てきたので、PCOSの一部は上記の糖尿病のストーリーがそのまま当てはまるかもしれません。


↑こんなことばかり考えています。

PCOSと診断されてから、私の知的好奇心、もといオタク心は深まるばかりです。

付き合って読んでくださった皆様、ありがとうございました。





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