(c)Julian Mommert

 

彩の国さいたま芸術劇場でギリシャの奇才、ディミトリス・パパイオアヌーの「Transverse Orientation」初日を彩の国さいたま芸術劇場で観た。

 

Believe me! もしもこの週末の予定が決まっていないとしたら、さいたまへGO!!!と言いたい。(週末は15:00ー開演)

 

 

英語での紹介記事

 
 

 

写真全て:(c)Julian Mommert

 

 

内容のことを言ってしまえば、このような不思議で夢のようなイメージが映像ではなく目の前で、生身の人間の身体によって次々と展開していくのをただただあんぐりと驚きの中で目撃していく、ということになるのだろうが、、、これらがまず、今同時代に生きているアーティストによって観ることができるチャンスに恵まれているのだから、観るべきでしょう!!という一言に尽きる。

 

例えば、これらの舞台写真に登場する等身大の牛のパペット(パペットは色々な形でまだまだ伸びしろが大きい、注目の手段だと思う)、ダンサーたちの手が添えられなければただの黒い大きな物体にすぎないのだろうが、これがまさに命が与えられマジカルな役目を果たすのだ(演劇史に残る「War Horse」の馬のように)。

 

ギリシャ彫刻のようなダンサーの身体、パペット、騙し絵のような奇想天外な演出、効果的な照明、、と見どころが満載。

 

舞台構成の関しても見事なストーリー性と想像力溢れるイメージによって、パパイオアヌーの得意とするところの壮大な人類の歩みが読み取れる作りになっている。

 

特にクライマックス、、驚きの仕掛けがあるので、お楽しみに。

 

この機会にパパイオアヌーの名を一躍世界に知らしめた2004年のアテネオリンピックの開会式(彼が演出を手がけた)の様子をYouTubeで見直して見たのだが、こちらも驚きの連続なので、お時間のある人はどうぞ、凄いです。

 

観たことのないものをこの目で観たい、と願う人、必見です。

 

これまでずっと世界最先端のダンスアーティストを紹介し続けてきたさいたま芸術劇場。観客からのあの満場の拍手が彼らが培ってきたもの=コンテンポラリーダンス文化の結実を証明していたように感じた。