夜は埼玉へ移動して、彩の国さいたま芸術劇場小ホールで役者河内大和の一人芝居「Oshiire Hamlet 押入ハムレット」を観劇。

 

*** 演劇サイトより******

即興狂読シェイクスピアとは!俳優・河内大和(シェイクスピア楽師)がシェイクスピアの一作品の全役を狂い読み、 "今"を更新し続ける革命のピアニスト・スガダイロー(音楽師)による全音楽の即興演奏、というスペシャル企画![vol.1マクベス、vol.2リチャード三世、vol.3十二夜]今回の演目は、400年経ってもなお世界中で愛され続けているハムレット。翻訳は、今やほとんど上演されていない坪内逍遥訳でお届けいたします。ハムレットの数々の名言も、およそ100年前の坪内氏にかかれば、「何者ぢゃ?」「文句ぢゃ。文句、文句。」「世に在る、世に在らぬ、それが疑問ぢゃ。」ぢゃ、ぢゃ、ぢゃ!否が応でも日本人の血と心が沸き立ちます!そして今回は更に、重要無形文化財能楽総合認定保持者である能楽師・津村禮次郎氏が特別出演!この三楽師の狂宴、いかなエクスプロージョンが巻き起こるのか乞うご期待!

 

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出演者の中にその名前を見つけると、居ても立ってもいられず、チケットを入手してしまう、、そんな引力を持った河内大和のシェイクスピア戯曲を彼が(そこで読む部分に出てくる)登場役者全てを担当するリーディングパフォーマンス。

知らなかったのだが、すでに3作品を上演しているとのことで、今回はミスしなくてよかった、、それも「ハムレット」だし。

 

毎回この形式でやっているのかは不明だが、タイトルにあるように舞台上にある押し入れぐらい(もっと狭いかも)の格子戸で仕切られたスペースに小道具、衣装、衣装小物、そしてこの舞台用に編集された台本を持ち込み、マイク片手に河内がリーディングを進めていく。

 

その演技スペースの横にはピアノが置かれ、そこで音楽担当のスガダイローが即興で音楽を演奏、舞台が始まる際の河内による説明によると、スガダイローのピアノ音楽も、そして今回のゲストパフォーマーである重要無形文化財で能楽師の津村禮次郎のパフォーマンスも当日数分間の打ち合わせだけで、ほぼ全部即興、、もちろん河内自身もそうなのだろう、とのことだった。

 

いわゆる三人のアーティストによるフリージャズ的な、フリー・シェイクスピア・リーディング・パフォーマンスといったところなのだろう。

 

男女を問わずエネルギッシュにそして朗々とそれぞれの役を演じ分ける河内に力強いピアノ楽曲をあわせるスガダイロー、そろりそろりと舞台を司る神のごとき風体で現れる津村、、とまさにその場限りの即興というテンションが舞台を支配する。

 

ハムレットは定期的に上演されるので、お馴染みの戯曲なのだが、上記の説明にあるように、昨今、坪内逍遥訳というのは珍しく、これほどまで違うのか、となかなかに新鮮だった。