◎ プチ・ニコラ パリがくれた幸せ | を観た。~3行映画評~

を観た。~3行映画評~

日本映画を中心に。たまに見る劇場新作も。タイトル前の◎はオススメ○は見て損ナシ△は気をつけて⭐️はその年のベスト



プチ・ニコラ パリがくれた幸せを観た。世界中で愛される新聞から産まれた人気児童書プチニコラが、作者の青春とともに動き回るアニメは、その見事な画(え)作りに感嘆するばかりだ。どの場面も文字通り絵本の様な水彩画的着色で(しかも塗られながら)物語が進行していく。デジタルとは言え大変な作業ではないのか。中でも、作者2人が初めて訪れる夜のバーなどは、照明を含めてそのカラーリングは見事の一言。作劇的は、派手な場面も、子供達のケンカでさえも勧善懲悪は一切無く、さらに、作者の1人ルネ・ゴシニ(ストーリー)の死もほとんどウエットでないのも好感。もう1人の作者(作画)ジャン=ジャック・サンペが本作のグラフィック・ディレクターを務めたとなっているが、実際は亡くなる直前であり、監修程度だったらしい。男女2人の優秀な監督とスタッフたちの手で、原作を尊重しつつ現代風に見事にアレンジされている。唯一林間学校の下りが少し冗長だが、パリがまさに"華の都"だった頃の平和すぎるこのアニメは、なぜか今の我々にものすごく反戦を訴える。地元でも名画座が閉館する一方の2023年、映画館で見れて良かったと思える一本

2022年アヌシー国際アニメーション映画祭クリスタル〈最高賞〉賞受賞

2023年劇場鑑賞第6位