したがってIUはなぜ高麗に移ったのだろうか?
したがってIUはなぜ高麗まで「タイムスリップ(タイムシフト)」したのだろうか?イ・ジュンギ - アイユ - カン・ハヌル主演の100%事前製作ドラマ、SBS水木ドラマ「月の恋人 - 歩歩驚心:麗(以下<月の恋人>)を見ている間終始頭の中を去らなかった質問である。
ファンタジードラマで「脈絡」を探すことは愚かな仕業である。 特に、タイムスリップを素材にするドラマの場合にはもっとそうである。 「もし」という想像力で出発して根付いた話の前に「なぜ」という質問を投げて見たところで、帰って来る返事はあまりにもそらぞらしい。 ドラマだから。
▲イ・ジュンギ - アイユ主演のSBS水木ドラマ<月の恋人>。
ⓒSBS
したがって、<月の恋人>の中アイユのタイムスリップを論理的に説明するのはつじつまが合わないことだが、それにもこのドラマの視聴者の期待が一瞬のうちに失望に変わってしまった理由は、最終的に「タイムスリップ」で見つけることが余儀ないようだ。
タイムスリップという設定生かせなかった<月の恋人>
ここでちょっと、3回まで放映された<月の恋人>視聴率推移を見てみよう。 7.4%(ニールセンコリア、全国基準)で開始したが、ドラマの視聴率は、1・2回連続放送という破格的な編成戦略に支えられ、2回9.3%まで上昇した。しかし、30日に放送された3回は再び7.0%に落ちた。このドラマが確保した視聴者を適切に守れずにいるという意味で解釈することができる。
その理由は、同時間帯競争作であるKBS2TV<雲が描く月明かり>の宣伝だけではないだろう。演技力論議に包まれた何人かの俳優の責任にするにも限界がある。より根本的な理由は、タイムスリップという魅力的な素材をドロップし、これを適切に活用していなかった話の構成、そして演出にある。
▲タイムスリップという設定を適切に生かすことができないのに視聴率不振に陥った<月の恋人>
ⓒSBS
冷静に指摘してみよう。過去の人物が現代に進みまたは、逆に現代に住んでいる人物が偶然何かのきっかけで、過去に戻るという設定は、韓国ドラマではもはや見知らぬ素材ではない。すぐに思いつくドラマだけ挙げてみてもSBS「屋根部屋の皇太子」、tvN「イニョン王妃の男>、MBC「ドクタージン>、SBS「シンイ」などがある。タイムスリップドラマの新しい世界観を構築したtvN <ナイン>とウェブドラマ「ボンダンボンダンLOVE>まで加えると、むしろ食傷するほどだ。
それでも時間移動を素材にしたドラマが着実に製作されて、ずっと人気を続けてきたのは、既存のドラマとは違う面白さがあるからだろう。 3人称視点でのみ学んできた歴史を主人公目線で眺めるとき、視聴者に「記録された歴史」は、全く別の意味で迫ってくる。また、主人公の逸脱による過去の変化は、現在のまで影響を及ぼし、視聴者を緊張感に陥れたりもする。
あえて難しいカオス理論や平行宇宙のような世界観で見ていなくても、タイムスリップドラマは視聴者の想像力を刺激するという点で、それ自体で十分に魅力的なコンテンツになる可能性が高い。そこにアクションとロマンスだけよく結合させると、ホームシアターの強者になるのはそれほど難しくないことだ。
想像力不足しているタイムスリップは、最終的に無駄だ
ところが、なんと。太祖王建時代を背景にした<月の恋人>ではなかなかタイムスリップドラマ特有の緊張感と楽しさを見つけることができない。イ・ジュンギを前面に出したアクションも派手で、カン・ハヌル - アイユ - イ・ジュンギにつながる三角ロマンスも火花がはじけているが、それにも何か寂しい感じを消すことができない。
その理由は、このドラマがタイムスリップという素材を十分に活用できずにいるからだ。 3回まで放映された内容だけを見ると、<月の恋人>は、時間の移動という概念を単に女性主人公のキャラクター構築にだけ浪費する感じだ。
▲<月の恋人>は、時代劇にアクションとロマンスを和えたが、大きな魅力に迫ってこない
ⓒSBS
気さくで自己主張が強く、少しの無鉄砲気質を持つ女性キャラクターが必要だったのだろうか。そのために、あえてアイユが引き受けたヘ・スというキャラクターを現代から高麗時代に移った設定に描かれているではないか。
<ドクタージン>と<シンイ>は、現代医学を専攻した医師が過去に移り、その時点では不可能であった手術を執刀して歴史上の人物を生かした。これに対し、<月の恋人>の中のIUは、ただ現代のキャリア(?)を生かし色鮮やかな化粧をする程度だ。少なくとも今までのストーリーだけを見ると、あえてアイユが高麗まで「タイムスリップ(タイムシフト)」する必要がなかったのだ。想像力が不足しているタイムスリップは、最終的に無駄に過ぎない。
もちろん、まだ話がたくさん残っていた。宮廷暗闘が本格化して、皇子の権力争いが激しくなった場合、その中でヘ・ス(アイユー)の割合も高まるだろう。時には歴史的知識を利用して、難関を乗り越えていき、「タイムシフト」とは、想像力にふさわしい緊張感あふれる事件が登場するかもしれない。
しかし、これは、最終的に残念格になる可能性が高い。既に去ってしまった視聴者の心を一歩遅れてどのように取り戻すというのか。劇序盤タイムスリップを活用して、より迫力あふれるストーリーと演出で視聴者の目と耳をひきつけた場合良かったはずなのに、「月の恋人>は、タイムスリップという素材を全く魅力的に活用できていない。
既存のタイムスリップドラマで一歩も進むことができなかったまま、むしろ退歩した感じさえ与える月の恋人。 結局また尋ねるしかない。 それでアイユーはどうして高麗まで 'タイムスリップ(時間移動)'をしたか?