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今回の、ご相談者は大阪にお住いの47才になられる主婦の方である。


この方は小さなころより、いじめにあっていたと云う。



その後も成長するにつれ色々と問題が起き、引っ越しを何回も余儀なく繰り返すことになったという。




・・・思うにあまり良い人生ではなかった、と回想する。



そんなこんなで、ナニカがあるのでは、との思いから色々な霊能者を廻ったが一向に問題解決には至らなかった、と云う。



故に、霊能者は信じるに値しない、と断じる。



が今回は当方のHPを見て、何かを感じたのか思い切って電話をした、と云うのだ。



そして、あ!神様のお使いですか?



と云われたが、即座に、いえ、私が神です、と云い切ると、一瞬時が停まったかのような静寂に見舞われた。



以上は携帯を介しての通話だったため、その時の、驚きのお顔を拝することができなかったのが、多少残念ではある。



そして、全く霊能者を信じていないと言い切ったご相談者。



しかし、私は信じるに値する霊能者ではなく”神”なのである。



故に、霊能者を信じなくても、私を信じていただくしかない。



そのためには、ご相談者に憑いている前世の因縁、怨霊を呼び出し、これまでご相談者にしてきた数々の行状を全て白状させるしかない。



その上で”神”は信じるに値するか、否かを決めて頂ければそれでいい。



ところで、今回もナニカに化けて怨霊を脅すことにする。



と云うことも事前にご説明した。



でないと、私が冗談でやっているのでは、と思われかねないからだ。



まぁ、こんな面白半分的に除霊をやることも最近では常習化してきた。



所謂、怨霊が動揺して慌てふためく姿を想像するだけで面白くやめられなくなってしまった、とでも云うの

か。



さて、では早速一人二役の心霊劇場を始めよう。



「早乙女陽菜(仮名)入って来い!」



とご相談者のお名前を呼ぶ。



とお名前を呼ぶと同時に怨霊は入って来た。



「お前は早乙女陽菜ではないな?」



と云うが



「・・・・・・・・?」



返事をしない。



「お前は早乙女陽菜にとり憑いているヤツか?返事をしないとお前にとり憑くぞ!」



とり憑く、と云うと速攻で反応がある。



「な、なになになに、なになになに」



「だから、なになにではないのだ?お前は早乙女陽菜にとり憑いているヤツだろう、と訊いているのだ」



「ウッ!きいている?おお、お前ナニモノかー!!」



と一応怨霊としての威厳を保とうとするかの如き声を発する。



「お前、とり憑いて良いのか、そんな横着なことを云って」



と云って返す。



「い!ちょっちょちょとまて、ちょっとまて!と、とり憑くとはどういうことなのか?」



愈々、激しく狼狽してきた。



「ワシヤのう猫なんじゃ。猫」



「ヒヤー、ね、ネコ?んん、ネ、ネコ???????」



「嘘じゃ!本当は狸じゃ」



「たた、タヌキ~?????ナニガ、た、タヌキが、タヌキがとり憑くのかー」



「だったら、お前の腹を触ってみろ。腹が膨らんできただろう。ほら、早く触ってみろ」



私が腹が膨らむ、と云えば嘘のようだが、ホントに怨霊の腹は膨らむのだ。



「オオ!は、ハラガ、フ、フ、膨らんできた膨らんで来た??????ウウウ、ヤ、ヤ、ヤメテ~~」



「そうか。ならやめてやるか」



「イヤ、ヤメテ、やめて、はは腹が膨らんできてビックリしたビックリした、、、、」



「だから、先ほどワシヤ狸だと云っただろう」



「さ、さようで、ほ、本物のた、タヌキ様でございますか?」



「そうじゃー本物の狸じゃー、お前にとり憑いて、お前の腹をポンポコポンに膨らませてやろうか?ワシなんかの腹みたいにのうー」



「イヤイヤヤメテクダサイヤメテクダサイ!き、気持ちの悪い事を云うのはやめてください」



「だったら、これからワシの云うことをなんでも訊くか?」



「な、なんでも聞きますから、オタヌキ様、どうか私をいじめるのはおやめになってくださいませ」



「そうか。ならお前をいじめるのはやめてやる。ワシヤ、早乙女陽菜にとり憑こうと思ったら、お前がとり憑いていたからなー、だから代わりにお前にとり憑こうと思っただけなのだ」



「イヤ、やめてくださいやめてください。私にとり憑くのはやめてください」



「お前はとり憑かれるのがそんなに怖いのか?」



「イヤ、怖いもなにも。そ、そんな私、オタヌキ様からとり憑かれたらもう何にもできなくなります。もう何も楽しみがなくなりますから」



「では、お前は早乙女陽菜にとり憑いてどんなことをやっているのだ?」



「わ、私どんなことをしているとは、そんなことを私、オタヌキ様に云ったら恥ずかしいから」



「では、今から訊くことに全て応えるがいい。分かったか。そーすればお前にとり憑くのはやめてやる」



「さ、さようでございますか?オタヌキ様。どうかホントにおタヌキ様、なんでも云うことを訊きますから、どうかどうかオタヌキ様,ナニを訊きたいのでしょうか?」



「お前は前世では何をしていたのだ?」



「私、百姓でございました」



「百姓か」



「さようでございます」



「では、早乙女陽菜は何をしていたのだ?」



「これは、私の女房でした」



「なに、女房だったのか」



「さようでございます」



「ならば、お前の女房なら早乙女陽菜の性格は良く知っているのであろうな?」



性格を喋らせるのは、間違いなくご相談者に憑いている怨霊だと、ご相談者ご自身に納得していただくため。



「せ、セイカクは良く知っております」



「では、どんな性格だったのだ?云ってみろ」



「セ、セイカクはこれね、要するにおっちょこっちょいなんですよ。なんでもね、こう早とちりをするんですよ。もうホントに落ち着いてね、なんかこうジックリやると云うタイプではないんですよ。もうなんでもちゃかちゃかしてね、そして人が、1を云ったらもう勝手に十を悟ったような顔をしてね、ああ、そうそう、うんそうそう。そうなんそうなんそうなのよ、なんか云ってね、もうベラベラ良く話すんですよ」



「そうか。前世ではそんなにおっちょこちょいで良く喋っていたのか?」



「さようでございますねー」



「では、今生ではどうなのだ?」



「コンジョウ?あ、今生でもねー殆ど変わってはおりませんよ」



「そうか。では性格はおっちょこっちょいと云うことか?」



「性格はおっちょこちょいですね。それにもうなんでも早とちりしてね、勝手に自分で納得して、うんうんちゅうような感じでございますねー」



「そうか。では顔付はどんな感じなのだ?」



顔付を訊くのもご相談者を納得させるため。



「顔付はですね、うん、これね、わりと顔を見たらこう、頭が良さそうな顔に視えるんですよ」



「頭が良さそうな顔をしていると云うのか?」



「うん、さようでございます。だけど、話しだしたらおっちょこちょいだからね、なんかおっちょこちょいやのうー、パッと視た時、頭が良さそうに視えたけど、なんかおっちょこちょいの女やのうー、と云うような感じがしますねー」



「では、顔つきはどうなのだ?可愛いとか美人とかだな?どんな感じなのだ」



「うん、顔はですねー、まぁどっちかと云ったら可愛いほうですかねー、顔はねーわりと丸っこい顔をしているんですよ」



「丸っこい顔をしていると云うのか?」



「さようでございます」



「ところで、お前が知っている女房は幾つぐらいだったのだ?お前が死んだ時の女房の歳だ」



「私がこっちに来たのは27,8。30前だったので、コイツがねーやっぱー私より3,4個下だったから24,5だったと思います」



「では、24,5の時は顔が丸かったのだな?」



「うん、丸かったですねー目もね、わりとクリッとして可愛いわりと愛嬌のある顔をしておりますよ」



「そうか。目がクリッとして愛嬌のある可愛い顔をしていたと云うのだな」



「さようでございます」



「では、お前は今生の顔は視たことはあるのか?」



「今生の顔でございますか?」



「そうだ」



「うん、今生はあまり視ておりませんけど、私らが生きていた頃の顔はそんな感じでした」



「そうか。では、ちょっと待っておれ。今から早乙女陽菜の頭の中に入ってお前が云ったことに間違いはないのか訊いてみる」



「え?早乙女陽菜の頭の中で話すので?」



「そうだ。お前なんかも早乙女陽菜の頭の中で話をするだろう」



「良く、オタヌキ様ご存じでございますねー」



「そらそうだ。お前たちはいつも耳の傍でグチグチ喋るのだろう」



「うん、さようでさようで」



「そんなことは、ワシなんか狸でもできるのだ」



「さようでございますか?では、今私が云ったことが本当かどうか確認するのですか?」



「そうじゃ。今お前が話したことに間違いはないのか確認するのだ。もし、嘘だったらお前にとり憑くからなー」




「やや、私絶対、オタヌキ様に嘘は申しませんから」



「では、そこで待っておれ」



「分かりました」



梅雨の盛りの関西の空の下で、心臓をときめかせ、え?え?え?と自分の前世のことを話すナニモノかの話をこじんまりとした姿で聞き入っているであろうご相談者に今のお気持ちをお聞きする。



>早乙女さん、あなたの性格はおっちょこちょいだったと云っていましたが、如何ですか?<



<・・・あのう、娘も今、訊いているのですけど、いつも周りが気になって落ちつかないです>



>では、合っていると云うことですか?<



<・・・・合っていると娘が云っています>



>では、前世の早乙女さんの24,5の頃の目はクリッとして可愛かったと云っていましたが、そのことについては如何でしょうか?それに顔は丸っこいと云うことについても<



通常、前世と今生とでは、顔かたちが変わると云うことはあまりない。



体重の増減等は怨霊の意のままにされていることが多々ある故、前世と同じとは言えない。



<・・・顔は丸っこいでしょう>



>では、合っていると云うことですね<



<・・・はい>



>では、この怨霊があなたにとり憑いていると云うことに間違いはないですね<



<・・・はい。そうです>



「おい、もう一度出てくるがいい」



「なんでしょうか?オタヌキ様、私の云うことを訊いていただけたでしょうか?」



「おう、そうだ。お前の云うことに間違いないようだな」



「さようでございましょう」



「ところで、お前はなんで早乙女陽菜にとり憑くようなことになったのだ?」



「とり憑くようになったちゅうのはね、コイツが浮気をしたんですよ」



「なに、浮気をしたのか?」



「さようでございます」



「それは、お前と一緒になっていたときに、と云うことか?」



「うん、まぁなんちゅんかねー結局まぁ、コイツが浮気をするようになったのも元はと云えば私の責任なんですけどね」



「お前が悪いから浮気をしたと云うのか?」



「うん、さようでございます。私ね、他に女をつくったんですよ」



「なに、お前が先に浮気をしたのか?女をつくったと云うことは」



「さようでございます。だからね、家に帰らなかったもんですからね、その間にやっぱーコイツもね、男をつくってしまったんですよ」



「それなら、お前が家に帰らないから寂しくなって陽菜が男をつくったのではないか?」



「う???ん、さようでございます」



「だったら、お前が陽菜を責める訳にはいかないだろう」



「うん、それは確かにそうなんですけどね」



「それと、お前がとり憑いたのとはどういう関係なのだ?」



「それは、関係があるんですよ。結局、この女の男のところに私ね、文句を言いに逝ったんですよ。そしたら喧嘩になってね、踏んだり蹴ったりされたんですよ」



「そうか。踏んだり蹴ったりされたのか?」



「さようでございます」



「では、その踏んだり蹴ったりされた時には殺されることはなかったのか?」



「その時には、殺されなかったんですけどね、私もう暫く寝込んでね、もう飯が喰えないくらいやられたんですよ」



「そらそうだろうな。半殺しの目に合ったんだからな」



「さようでございます」



「でその後どうしたのだ?」



「そして、キズが治ってね、私らにも仲間が居るんですよ。そいつらとね、コイツの男のところに乗り込んで逝ったんですよ。そして、今度は逆にそいつを半殺しの目に合せたんですよ。そしたら動けない筈のヤツがね、夜、私のところにね、ヨタヨタとやって来てね、鎌でね、頭をカチ割られたんですよ」



「鎌で頭を割られたのか?」



「さようでございます。それで、もうウワーーーー!!!となってですねーパッと目を開けたらですね、この女が傍に居ったんですよ。そして、この女ね、ニタッと笑ったんですよ。私が死にかかっているときに」



「そうか。ニタッと笑ったのか?」



「それが私、それがもう最後で気が付いたらこっちに来ていたんですよ」



「そうか。それが原因で死んだのか?」



「さようでございます。だけど、死んでも死にきれんのですよ。死ぬ間際にコイツがね、ニタッと笑ったのが、あれがねー印象に残って死にきれんでね、コッチに来てね、コイツにとり憑いたんですよ」



「そうか。しかし、半殺しの目に合せたヤツが良く動けたなー」



「うん、そらもう不思議に、、、来てからねー鍬で頭をチチ割られたんですよ。だから、今もね、頭から血がタラタラ流れているんですよ」



「そうか。今も頭から血が流れているのか?」



人間界からすると、この怨霊は2,3百年前に死んでいるのだが、向こうでは、まだ死後1週間たったか経たないかである。



「さようでございます」



「でお前は復讐はどうやっているのだ?」



「だから、復讐はね、コイツが人間界に生まれた時からずーーーーーっととり憑いてね、いっつも私ね、頭が痛いときにもコイツに入っているもんだからね、コイツがちっさいときから頭が痛いとかね、なんやかんやで悩んでいた筈ですよ」



「そうか。小さいときから頭を痛がっていたと云うのか?」



「さようでございます」



「では、ちょっと待っておれ。そのことも訊いてみる」



「分かりました」



>早乙女さんは小さい時から頭痛があったのでしょうか?<



<・・・・ちょっと忘れていましたけど、首の上とかがズキズキして痛いときがありました>



「おい、もう一ででてくるがいい」



「なんでしょうか」



「その他には何をしているのだ?」



「まぁ、結局その他と云うより、結局コイツ浮気をしたからね、今生ではね、一切人間と関わりを持たせていないんですよ」



「一切、人間と関わりを持たせていないと云うのか」



「コイツが何処に逝ってダレかに近づこうとしたらね、私がね、相手に入ってね、一切喋らせないんですよ。コイツは気持ちが悪いぞ!この女気持ちが悪いぞ!取り合うな取り合うな!コイツ、ヤクザみたいなヤツが憑いているから取り合うな!取り合うな、と云ってね、私がコイツに近づくヤツみんなに入るんですよ。そして、囁くんですよ。そしたら、男はみんな去るんですよ。ですからコイツいっつもね、孤独ですよ。どこに逝っても何もできないですよ。喋ることもできないような状態にしておりますから・・・



次回続く


(最後までお読みいただきありがとうございました。で、少しでも感じいるようなところがございましたらここをちょっと押していただけないでしょうか?ご無理を云って申しわけございません)