番外編 妻の開腹手術

 

両親の介護が落ち着きを見せ始めた矢先、懸案だった妻の子宮筋腫の手術が行われた。様々な薬を駆使して体調を調整し、また、薬の効果で子宮が小さくなることが期待されていたが、結局、開腹による子宮全摘術となった。

 

月曜に入院し、火曜日手術、翌週の火曜日に退院という日程。退院してからも簡単には治らないようで、イレウスに気をつけつつ、3週間は安静にしていないといけないという。

我が家はベッドではなく、布団で寝ているのだが、起き上がる際に腹筋を使う。これがどうもまずいらしく、一時はベッドの購入を考えた。しかしながらやはりベッドは我が家には大きいため、見送り。私の介助で起き上がる方針とした。なんか、本格的な介護っぽい。

 

当日まで、基本妻は健気にご機嫌でいてくれるのだが、時折珍しく「怖い」と弱音を吐いていた。

 

手術当日、妻は割と元気そうにストレッチャーで運ばれていった。

待つこと5時間。3時間は覚悟していたが、5時間である。妻は全身麻酔明けの朦朧とした状態にはなっていないようで、割と元気そうに目をくりくりさせて出てきた。

 

その後が大変だったようだ。深夜、急激に血圧が下がり、当直の医師による処置が行われた。意識が遠のく感覚があったらしい。

翌日、CTでの検査が行われ、腹部の浅い部分(腹筋の部分)での出血が確認された。医師によるとそうそう起こる事態ではないらしい。

妻はどんなにか不安だったと思う。

 

昼に、私が呼び出され、今回の説明と、再手術の確認が行われた。

妻と私と医師の三者で、ナースステーションの中で面談。私が「今回のようなことで、死亡に至るケースもあったのでは?」と医師に質問しているところに車椅子で妻登場「そんな大げさな」といわれてしまった。

顔だけ見ると、妻は元気そうである。元気そうな顔しかできない気の毒な質なのかもしれないな。

しかしながら、説明の途中で貧血になり妻退場。しかし、突然起き上がったことによる貧血で済んだらしかった。

 

明日、再手術が行われる。仕事の打ち合わせを延期し、立ち会いに行く予定。

なんだかんだと、介護っぽいことが続く55歳のスタートであった。