『高単価』と『期待値』との関係 | 会計事務所応援 ブログ

『高単価』と『期待値』との関係

みなさん、こんにちは。

先日、近所に昨年末オープンした
評判のラーメン店に行きました。

某地区では有名なラーメン店が、
私の地元に出店してきたそうです。

車で通りかかると、
いつも駐車場はいっぱい。
道路にも車が並ぶほどの盛況ぶりでした。

しかしその日はたまたまなのか、
駐車場もお店もガラガラ。

不思議に思いつつも、
お店に入ってみると、

ラーメンはトッピングなしの
標準的なものでも1,200円。

都内一等地ならともかく、
随分と強気な価格設定だなと驚きました。

近隣にもラーメン店はたくさんありますが、
1,000円超えどころか、
せいぜい800円台が相場。

「きっと、驚かせてくれる味なのだろう」

と期待して待っていました。


しかし、味は極めて普通。

接客は新店ということもあるのか、
従業員教育が不十分な点が目立ちました。

一緒に同じものを食べた妻も無言。

おそらく私と同意見だったのでしょう。


調べてみると、
開店から1カ月ほどの間に初来店した
お客様からの口コミによる酷評が、
このような状況をつくりだしてしまったのだろうと
後から気が付かされました。

私自身は酷評という、
大げさな感覚こそありませんでしたが、
おそらく次はないかもしれません。


私もその一人かもしれませんが、
商品でもサービスでも
相場の1.5倍の価格設定で提供されていれば、

一般消費者としては、

「いつもより
 何か特別なことがあるのかな...」

と期待してしまうものです。


期待の対象は、
人によって様々かもしれません。

味、ボリューム、厳選した素材、お店の雰囲気、
有名店というブランドかもしれません。

いずれにしても、
何か秀でた(いつもとは違う)部分を
お客様が感じ取らない限り、

「高い」「不満」

という価格差以上のネガティブ感情を
掻き立ててしまう可能性を捨てきれません。

SNSが発達している現代は、
そのネガティブ感情があっという間に、
世間に広がってしまうところが恐ろしい点です。

一杯で400円の違いを
しっかりと打ち出さなければ、
あっという間にラーメン店の存続自体が
脅かされるということです。


このところ、

「人員不足の影響もあって、
 顧客拡大の件数にも限界がある。

 できれば、単価アップで何とかしたい」

というご相談が増えています。


そのお気持ちはよくわかりますが、

単価をアップするということは、
お客様からみたサービスの価値も
当然アップしていなければなりません。

ごくごく当たり前のことですが、

月額3万円の顧問料を、
4万円、5万円と引き上げてゆくためには、
お客様の納得感なしには成り立ちません。

「既存のお客様が難しいなら、
 新規契約から引き揚げればいいじゃないか」

という意見もありますが、

既存のお客様に3万円で、
行ってきたサービスを変えずに、
新規契約のお客様が5万円払い続けてくれるほど、
経営者の感覚は鈍くありません。

それでは、いつもと違う
価値を付加したサービスを新設したとして、
所内においてどれだけのスタッフが
それに対応できるでしょうか。


とくにマンパワーに乏しい事務所の場合、

せっかく上げた単価が災いして、
所長先生だけが、
ひたすらお客様に振り回されるという、

一番想定したくない事態に陥ってしまう例を、
私はこれまでに何度となく見てきました。


単価を上げる意識はとても大事。

しかし、所長先生や主力職員が、
振り回される要因になってしまう単価アップでは
元も子もないのです。


食べ物の恨みは恐ろしいといいますが、

期待して払った報酬以下の、
サービスを提供される恨みも同じく恐ろしいのです。
 

思い付きではなく、

しっかりと練り込んだ価格戦略を

おすすめします。


 


 

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