Laaz Rockit-2008

皆さんいかがお過ごしでしょうか?
私としては昨年は入退院を繰り返し手術も2度経験する等、
あまり良い年を送れたとは言い難いものでした。

ですが、今年は健康上の不安もなくなったことから、
去年よりもはるかに更新頻度を上げて積極的にブログの運営が出来るはずです。

今回取り上げるのはこのアルバム。

今回はアメリカのスラッシュメタルバンドLaaz Rockitの復活作であり、
最後の作品になってしまった上記のジャケットのアルバムについて触れてみます。

そもそもLaaz Rockitというバンドは、
80年代初頭からスラッシュメタルというよりは、
パワーメタルに近い作風で活動していて、
初期の2枚の作品は完全にスラッシュメタルとは一線を引く作風でした。
メンバーの力量のなさからか、この時は垢抜けない作風で、
ブレイクするには至らなく、今聴いてもあまり「カッコイイ」とは言えません。

それが3枚目のアルバムから、
時代を意識したのかスラッシュメタルに転向し、
それまでのスタイルをあっさり変えてしまって驚いたとともに、
こんな一面もあったのかと感じさせられました。
(私は当然リアルタイムでは聴いていないのですが...)

特に4枚目のアルバムは、スラッシュメタルの中でも屈指の名盤と言われており、
バンドを代表する作品に仕上がっているように私の中でも感じています。

今回触れるこのアルバムは、5枚目のフルアルバムを残し、
一時的にバンド名を変えて活動していた時期もありましたが、
その後にだいぶ時間が経過してから発表されたアルバムです。

このアルバムでは、だいぶスラッシュメタルの要素が戻ってきています。
特に1曲目は疾走感がたまらなく、ザクザクとしたギターのリフも印象的です。
ですが、2曲目以降はグルーヴを重視した楽曲が並び、
単にスラッシュメタルには留まらない良く言えば幅広い作風に仕上がっています。

国内盤ではボーナストラックが4曲収録されていて、
そこでは往年の名曲も披露されていて、
本編で物足りなかった部分を補っているとは言えるのですが、
純粋にスラッシュメタル作品を求めた時には「なんだかなぁ」と感じます。

一時スラッシュメタルリバイバルとでも言うのか、
多くのベテランバンドが復活を果たしたり、原点回帰を図ったような、
作品をリリースしたりとシーンが再び盛り上がってきた時期がありました。

Laaz Rockitのこのアルバムもその例に含まれるのでしょうか。
スラッシュメタルとグルーヴメタルのどっちつかずになってしまった、
このアルバムはバンドの完全復活を意味するものではなかったのかもしれません。

その後メンバーの死亡などがあり、
自然消滅のような形でバンドの活動も行われなくなってしまったようで、
一メタルファンとしては何かモヤモヤしたような感じがしています。