2024年6月1日より施行される予定の、令和6年度診療報酬改定の概要が厚労省のホームページに掲載されています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00012.html

 16  令和6年度診療報酬改定の概要 重点分野Ⅱ(認知症、精神医療、難病患者に対する医療)【2MB】

https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001238907.pdf

 

「線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群を含む。)」の遺伝学的検査については、処理が極めて複雑なもの、というカテゴリーで、8,000点となるようです。
個人の負担する金額は安くありませんし(3割負担なら1点=10円のため、24,000円の負担)、さらに遺伝学的検査で確定診断できるケースは、本症が疑わしい場合の70-75%程度と言われています。。。
それでも、どの医療機関でもこの外注検査が健康保険の中でできるようになることは大きな前進と思います。

これまでしっかりした検査記録がないために、臨床調査個人票において、指定難病のprobableを満たすために必須なA7、あるいはdefiniteを満たすために必須なBの検査結果が不明という扱いで、指定難病としての「客観的な」診断基準を満たさず、一度のチャレンジでは認可されなくても、6月以降に確定的な結果が出るなら(←ここが大事ですが)、その結果をもって再申請することで、間違いなくdefiniteとして認められることになるだろうと思います。

特に内臓逆位の見られる場合、変異のある主要な遺伝子は、DNAH5, DNAH11, CCDC39, CCDC40など、かなり限られますので、診断できる可能性は高いものと考えます。

 

ちなみに、線毛機能不全症候群において、電子顕微鏡検査も今後早い時期に保険収載されていくことが望まれますが、現在でも医療機関によっては研究目的でオーダーし、大手の検査会社が受託しているように見受けられます。