脱税・申告漏れ日記

大阪の若手税理士が巷に流れる脱税・申告漏れ報道の裏側を分かりやすく解説します!


テーマ:
『川崎汽船、64億円申告漏れ 大阪国税局が指摘』
http://www.asahi.com/national/update/0517/OSK201105170038.html
朝日新聞 2011年5月17日18時21分

『川崎汽船が16億円の所得隠し…国税指摘』
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110517-OYT1T00473.htm
読売新聞 2011年5月17日12時31分

『川崎汽船64億円申告漏れ=海外子会社所得隠し-大阪国税局』
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011051700293
時事ドットコム 2011/05/17-11:20

『川崎汽船、16億円所得隠し 申告漏れ総額は64億円 大阪国税指摘』
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110517/crm11051702000001-n1.htm
MSN産経ニュース 2011.5.17 02:00


外国子会社の経費の水増しにより所得隠しを指摘された事案
・大阪国税局から所得隠しを指摘されたのは、海運大手の川崎汽船(本店・神戸市)。
・タックスヘイブン(租税回避地)のパナマにある同社の子会社が、タンカーなど船舶4隻の建造を日本の造船会社と契約。
・契約直後に鋼材価格が上昇したため、造船会社が契約金額の上乗せを主張。
・同社の子会社は造船会社と再交渉し、当初の契約金額に約16億円上乗せすることに合意。→経費として計上
・これに対し同国税局は「契約を結び直した事実はなく、上乗せ分は支払われていない」として、上記の上乗せ額を経費の水増しと認定。→所得隠しを指摘。
・他にも海外子会社から借りた船舶の検査費用を、支払金額ではなく見積額で経費計上したことについて約48億円の申告漏れを指摘。
・同国税局は更正処分により重加算税を含め約19億円を追徴課税。

タックスヘイブン(租税回避地)を使った課税回避行為とは、極端に税率の低い国・地域に現地法人を設立し、国内の法人から経費等の支払により所得を移転。→日本の法人税等が適用される所得を圧縮して課税を回避する行為です。

この課税回避行為を防ぐため、昭和53年タックスヘイブンにある子会社の所得を日本の親会社の所得と合算して、日本の法人税を課税するという「タックスヘイブン対策税制」なるものが創設されました。

「タックスヘイブン対策税制」については、親子関係の認定方法や適用除外規定等が複雑で説明しだすと長くなりますし、今回の事案は「タックスヘイブン対策税制」が既に適用済みの子会社の話なので説明はこれぐらいで。


この事案要するに、子会社が追加で支払った上乗せ金額について、本当に実態のある経費か、単なる経費の水増しかというところが一つ目の争点となっています。

川崎汽船側は
通常の商取引による契約価格の見直しであり、国税局とは事実認識に大きな隔たりがある。到底承伏できる内容でなく、国税不服審判所で正当性を主張していく』と全面的に争う姿勢です。

実際問題として「鋼材価格が上昇」、「造船会社が契約金額の上乗せを主張」、「実際の支払い」というあたりが証明されれば、納税者側有利ですが、国税局が更正処分まで行っているということは、それが証明できる決定的な証拠がないとも考えられます。
記事によると実際に支払っているのは事実のようなので、国税局は寄附金認定でもして否認したのでしょうか?


二つ目の争点としては見積もり計上した船舶の検査費用についての費用計上時期についての申告漏れです。

法人税基本通達において、売上原価については、売上との対応関係を重視し費用の見積もり計上が認められているのですが、販売費及び一般管理費属する費用については債務確定基準を採用し、
当該事業年度終了の日までに(1)債務の成立、(2)債務に基づいた具体的な給付事由の発生、(3)金額の合理的算定が可能。という要件を満たしたものだけを費用計上可能としています。

今回の船舶検査費用については、販管費と認定されたようですね。


(売上原価等が確定していない場合の見積り)
2-2-1 法第22条第3項第1号《損金の額に算入される売上原価等》に規定する「当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価」(以下2-2-1において「売上原価等」という。)となるべき費用の額の全部又は一部が当該事業年度終了の日までに確定していない場合には、同日の現況によりその金額を適正に見積るものとする。この場合において、その確定していない費用が売上原価等となるべき費用かどうかは、当該売上原価等に係る資産の販売若しくは譲渡又は役務の提供に関する契約の内容、当該費用の性質等を勘案して合理的に判断するのであるが、たとえその販売、譲渡又は提供に関連して発生する費用であっても、単なる事後的費用の性格を有するものはこれに含まれないことに留意する。

(債務の確定の判定)
2-2-12 法第22条第3項第2号《損金の額に算入される販売費等》の償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務が確定しているものとは、別に定めるものを除き、次に掲げる要件のすべてに該当するものとする。
(1) 当該事業年度終了の日までに当該費用に係る債務が成立していること。
(2) 当該事業年度終了の日までに当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
(3) 当該事業年度終了の日までにその金額を合理的に算定することができるものであること。

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   国際租税法

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