もう1ヶ月経とうとしていますが、第四回筑波連山(75キロ、ロングの部)には続きがありました。
いつものようにレース後に裏ステージでもやったのか。

いえいえ。
今回参加したロングの部は従来の70キロから延長して75キロとのことですが、ガーミンの計測が約70.9キロしかありませんでした。(同じロングの部に参加されたブロ友のちんとくりんさんも同様の結果)
毎回筑波連山はレースの距離より、ガーミンの計測の方が短いのですが、今回の差は想像以上だったので原因を徹底究明することにしました。

差の要因として思いつくものは既にありました。
斜辺距離と水平距離の違いです。

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上の図での赤線と青線の違いです。
フラットなコースでは、両者はほとんど同じですが、今回のトレイルのようにアップダウンが多いコース程、差は広がります。
大会の距離が赤線を示していて、青線の距離をガーミンが計測しているのではないかと言う予想です。
(残念ながらガーミンの仕様について、水平距離を出しているという正式な記載は見つかってません。)

ガーミンが水平距離の青線の距離をを出していると仮定して、高度も考慮し赤線に相当する距離にした場合、果たしてそれが75キロにどれだけ近づくか算出することにしました。

実はこの試み、既にテネシーウィスキーさんが去年やられていましたが、ミドルの部(48km)だったのと、確かラップ(1km)?ごと集計だったような気がするので、その意思を引き継いで、ロングの部をしかも、もっと細かい単位で自ら集計することにしました。

そう思い立ったのはNASAのサイトで標高のデータを公開しているとの情報をネットで見つけたからです。
SRTMです。スペースシャトルでの測定を基にしたデータです。
地球上、1マス緯度、経度それぞれ1200分の1度(距離にして緯度方向90m、(関東近辺の場合)経度方向約75m)の細かさのメッシュ上の標高データがダウンロードできます。

算出方法の概略は以下の図のとおりです。


斜辺距離算出のイメージ
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赤の各円柱が1マス約90m×約75mのメッシュに対して与えられたSTRMの標高データです。
ここにガーミンの(水平)位置データを用い、垂直方向はその位置でのSRTMデータを当てはめ立体的な位置を決定し、赤線の距離を足していきました。
ガーミンのデータは1秒~数秒おきに出力されるトラックポイントを1つの単位としています。(ガーミンの出力している高度は当てにできないので緯度経度のみ使用しています。)
メッシュ内の標高は平面で補間しました。平面は3点で決定されるので、各メッシュで2つの三角形に分けて行いました。(薄いピンクと水色の三角)

ガーミンのデータ(1行が1つのトラックポイント)
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さて、算出してだした総距離はどうなったか。
なんと、結果は、約73.6キロとなりました!

残念ながら75キロに及ばず!
しかし、もともとの計測の70.9キロから2.7キロもアップしました!

実は、2.7キロの全てが標高の考慮によるものでなく、トラックポイント間の水平距離の合計で既に72.6キロとなったので、実質、アップダウンにより伸びたのは1キロ程という計算結果です。
もちろん、75キロとガーミンの距離の乖離は他の要因があるかもしれません。

と言うわけで、斜辺距離の計算だけでは、75キロに到達せず、ゴールを目前に私の筑波連山は終了となりました。

しかし、SRTMの標高データと言う強力な武器を手にした今、筑波連山の距離の謎以外に、ある謎にも立ち向かえるようになりました。

そう、喜多のお化けの正体です!
次回は喜多マラソンのコースに潜む、奇怪な現象の原因に迫りたいと思います。
後編につづく