お久しぶりです、夏目です。
皆さんお元気ですか?
2月に独立して会社を立ち上げてから慌ただしくしていましたが、沢山の方々からお祝いと励ましを頂きありがとうございました!

少し落ち着いてきたので植物ブログ、久しぶりの更新です😊


気温も上がってきていよいよバラの蕾も顔を覗かせました。

「シャンテ・ロゼ・ミサト」の蕾。暑さに強い強健種。無農薬でも栽培可能。


この時期、開花が楽しみでお世話にも熱が入る頃ですね。
せっかくの熱意と愛情が裏目に出てしまうと、この先病害虫に弱い子になってしまうので、この時期に気を付けたいことや管理のポイントを説明したいと思います。


地植えにしてから半年で勢い良く伸び上がったブリーズ・パルファン

ふんわりと誘引して咲かせたい紫玉。



今回はまず水やりについて説明します。
この時期は気温の上昇と共に植物の新芽が日に日に伸びる時期ですが、水やりは極限まで待ってから与えます。
土に指を突っ込んで湿っているか確かめる・・なんてことはしなくても大丈夫ですよ。
新芽の先端を毎日観察して、シャキンとしていた新芽が少しだけ、しなっとなるまで待っても良いくらいです。
とは言え、ヘロヘロまでいったら危険なので観察が大事です。

植物は土壌が乾くことで水を求めて根を伸ばします。
水やりが頻繁すぎたり、水はけが悪かったりで常に湿っている土壌では根を張る力が弱くなります。
特に初期成長の段階でどれだけ早く根を張るかでその株の将来の生命力や免疫力がある程度決まります。
これは数年後に見違えたように成長し始める子もいるので、100%そうだとも言いきれないのですが、幼い苗のときに病害虫に侵され続けたり、強剪定され続けたり、常に湿った土壌に植えられた株はいじけた株になりやすく、何年たっても元気ないよね、な株になりやすいです。

幼い苗はすぐに地植えにせず、鉢上げして育ててから地植えにするのはそのためなんですね。
それでは具体的に水やりの例をあげてみます。


《タイプ別水やり》


A .植えてから年数が経った地植えのバラ



「ミーシャの庭」

「マダム・アルフレッド・キャリエール」呉市Mさま



こんな株はもうすでに根を張っていると思われるので、雨まかせで良いぐらいですが、雨が降らない日が二週間以上続くようなら10日から二週間に一度たっぷり灌水します。
10日から2週間と開きがあるのは、各家庭やお庭によって株の成長具合や、日当たり、風通し、土壌、肥料等の違いが大きいので、水を欲しがるまでに差が出るためです。


B .今年の冬に地植えにしたばかりの裸苗の大苗

この冬に購入したばかりの裸苗や裸苗を植え込んだポットを地植えにした場合は、根を張るのに少し応援が必要です。
こちらは雨が降らないようでしたら一週間に一度はたっぷり灌水します。



C .数年鉢上げし、根を張らせた株を地植えにした場合


植え付けてから半年のつるバラ。
数年鉢上げして根回ししてから植え付けているので水やりは極限まで待ってから与える。
三原市 Tさま。


こちらはA.とほぼ同じですが、株に対して芽の数が多い場合はもう少し早く水を欲しがります。


D .鉢植えのバラ

鉢植えは鉢の大きさや、冬に根を切って植え替えたかどうか、どんな培養土や肥料を使ったか、日当たりや風通しによって成長に差が出ます。
芽の展開が早い程、鉢土も早く乾くようになるので、週に何回と決めずに新芽を観察して、欲しがるとき(しなっとなった時)にたっぷり与えるのがベストですが、ある程度の目安で言うと、地植えよりは頻繁になるのでたっぷり与えてから乾くまで二、三日が目安です。

この時期に毎日水やりが必要なのは生産者の苗(ポットが6~7号)や幼い苗で鉢土が少ない場合のみです。


E .ロサ・ラクサが台木のイングリッシュローズを大鉢もしくは地植えで深植えにした場合

「ミーシャの庭」レディ・オブ・シャーロット

こちらは、広い土壌に伸び伸びと根を伸ばすのが好きな性格です。
根が日本の高温多湿を嫌うので、一回の灌水をたっぷりではなく、軽めに与えて乾燥するまでの時間を早めます。


いずれも気温が20度を超えて夜間温度が10度を下回らない地域の水管理です。
気温がこれ以下なら新芽も伸びていない(=根も伸びていない)ので、水やりはもう少し控えます。
寒冷地や芽の出方がまだ小さい品種は芽かきの時期です。



ちなみに水やりは朝がベストです。
夕方に与えると、乾くまでに時間がかかるので、黒星病が出やすくなります。
過湿になると、節管が伸びて徒長してしまいます。徒長した枝はウドン粉病やアブラムシ等の病害虫に弱くなります。

忙しい方はちょっと大変と思われるかもしれませんが、なるべく朝早起きして水やりしてあげてくださいね。
その際に害虫がついていないか見回るのが日課になるともう立派なガーデナーですね。
無農薬、減農薬栽培で育てておられる方々は、朝のパトロールからスタートなんですよ。

今回説明した内容は、地植えにした際に良質な有機物や腐葉土、堆肥等で土壌改良してある場合の水やりです。

真砂土等、砂質の土壌では保水力がないので、灌水が頻繁になるし、粘土質や水はけの悪い土壌では乾くまでもっと時間がかかるようになります。
水やりのストレスをなくすためにも冬に土壌改良が必要なんですね。


名馬の堆肥をたっぷりすき込みます。

真冬の土壌改良!
「やさしいバラの庭」Kさまと。

株元にも名馬の堆肥でマルチング。


「ミーシャの庭」ミーシャさんと。
ブレンド有機質肥料と名馬の堆肥。




極論を言うと、化成肥料を使ったり、農薬を使用して病害虫から逃れるという考え方であれば、神経質に極限まで待ってから水をやる必要はなく、多湿でスラスラと伸ばしても美しく花を咲かせます。

消毒をして、化成肥料で育てた場合と無農薬で有機質肥料で育てた場合では、株自体の勢いや葉の厚みや、咲いた花の香りやリッチさが全く違います。
全て無農薬である必要はありませんが、一旦消毒し出したらずっとやり続けないといけないというやり方では、バラ園はともかく、一般家庭ではこれからの時代に合わず次の世代から見放されるような気がしています。
それは最も恐ろしいことですよね。

それを避けるためにもなるべく消毒や化成肥料を使わずに、有機質肥料と微生物で自然に近い状態で株が持つ免疫力をあげて育てたいと考えています。
私自身、花数ではなく、株の持つ生命力に惹き付けられるというのが本音です。


色んな場合の水やりについて書いてみましたが、なるべく負担やストレスのないよう実践してみてくださいね。

水をやるという行為は誰にでも出来る簡単なことですが、植物の成長に合わせて水を与えるので、どんな時間にどれぐらいの量と間隔で与えるのか常に一定ではなく、気温や降雨、土壌によって左右されるので、自然の変化に敏感な方が水やり上手と言えます。

自分が管理しているバラは今の気温(夜間温度)や、日当たりや風通しがどのくらいなのかを観察して、自然に敏感になると植物の気持ちに寄り添えるようになります。
雨がいつ降ったのか、次はいつ降りそうなのか、曇りが続いているかや夜間温度が極端に冷え込む日がありそうか・・・等々。

水やりで成長や病害虫に対する抵抗力が変わるということについて考えるきっかけになると嬉しいです。

開花まであと一ヶ月、こちらから色々と発信しつつ、皆さんのガーデンライフを応援していきますので、一緒に頑張りましょうね♪