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あれは息子が年長の時、初めて発達外来にかかった時のこと。
息子は主治医の机の上にあったルービックキューブを取り上げ、
脇目も振らず一心不乱に遊んでいました。
そんな息子を見て、主治医はこう言いました。
この子は天才肌なんでしょうね。
更に知能検査の結果を見て、
平均より高めの数値です。
検査でも知的な高さを伺えました。
と、繰り返す主治医。
そんな主治医の言葉を鵜呑みにして、
ウチの子は‥もしかしてギフテッドなのか?
と、図に乗る母Niwaca。
※そもそもIQ130ないしギフテッドではない。
今思えば、主治医は私が「発達障害」の診断にショックを受けないように、
敢えて息子の良い部分を強調してくれていたのだと思います。
今思えば、(実際は違うけど)ギフテッドでも発達障害でも、診断名なんてどっちでも良いんです。
どんな診断名だろうと、息子は息子。
大事なことは、凹をカバーしつつ凸を伸ばせるよう、息子に寄り添った支援ができるようになること。
その手がかりを得るための診断や検査なのです。
だけど当時の私は、そうは思えませんでした。
理屈はわかっていながらも、現実を受け入れられていなかったんです。
外では「障害を受け入れられる理解ある母」を演じながらも、心の中ではずっとドロドロした思いを抱えていました。
そしてそんなふうに思ってしまう自分のことを、心底憎んでいました。
本当は無条件で我が子の全てを受け入れてあげられる母でありたかった。
自分は母親失格だ、って。
でも、今は不思議とそんな感情はないんです。
それは自分のドロドロした一面も、「ありのままの息子」も、ようやくそのまま受け入れられるようになってきたからかなと思っています。
私も息子も、今のままで良い。
形だけではなくて、やっと本当にそう思えるようになってきたのだと思います。
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軽度知的障害と自閉症を隠して、一般雇用で働く女性を描いた恋愛漫画。ドラマ化もされた有名な作品なので、ご存知の方も多いと思います。障害に対する劣等感や「普通」でありたいと願う気持ちがとてもリアルに描かれていて、読んでいて心が痛くなりました。