●園長とタイマン勝負した幼稚園児
こんにちは～。ヽ(^。^)ノ
文章コーチ累計300人以上、
二人三脚よりそい文章コーチ、西山千登勢です。
私にもカワイイ頃があったんですよ。はるか昔ですが。
みなさんの一番古い記憶はいつ頃ですか？
私は3歳前、
しかもそれが食べ物関連
という
私らしい思い出があります。
その後の記憶は、幼稚園の頃です。
当時、自宅あたりは
新しい住宅街で子どもがふえて、
幼稚園が全然たりませんでした。
人気のS幼稚園には「入園試験」があり、
結構な割合のお子さんが
不合格を食らっていました。
私はド貧乏だった経済事情から
1年間だけ幼稚園生になることに。
それでも入園試験はあります。
同じく1年入園のY子ちゃんのお母さんと私の母親が
「落ちたら・・・」
「落ちるかも・・・」と
立ち話をしていた時
「お母さん『落ちる落ちる』って、
幼稚園のお庭に落とし穴でもあるの？」と
聞いたのは私です。
本人はいたって真面目でした。
空地にしかけられた
落とし穴を見破るのは得意だったので。
さて幼稚園入園試験日。
園庭を遠くから斜めに見て、
「落とし穴、無し！」と確認後、
私はもう受かった気分で
ずんずん進んでいきました。
大きな教室で待ったあと、
名前を呼ばれて別室に入ると
優しそうなおじいさんがいました。
おじいさんは私に大きな紙を見せながら
「ここに描いてあるものを教えて」
と言いました。
紙には大根やトマトなどが
描いてありました。
は？この人、この年齢になるまで
大根やトマトを知らなかったの？
私はため息をつきながら
「あのね、これは大根。
知らない？大きいんだよ。
それから、こっちはトマト。
田舎のおばあちゃんの家では
夏に庭からもいで食べるの」
と次々に教えていきました。
「落ちたな」。
後ろで見守っていた母は
覚悟を固めたそうです。
帰り道、言葉少ない母を不審に思いながら
「おじいさんになっても、
いろんなことを知らない人っているんだ」と
考えた私でした。
しかしまさかの合格。
S幼稚園の度量の深さに、
母親は心から感謝したそうです。
その後「質問」とは、
「自分が知らないことを聞く」
だけではないと知りました。
相手の考えを聞いてみるとき。
自分の考えを掘り下げてみるとき。
様々な場合に「質問」「聴く」ということを
大人はします。
相手に対しても、
時には自分に対しても、
大人は質問するのです。
これを知った時が、
私にとって「大人になった」時でした。
今ではレッスン中に
「で、この時はどう思いましたか？」
「『こういう時』ってどういう時？」
「『幸せ』ってどんなことですか？」
と質問しまくりです。
お客様が幼稚園児の私のように
「知らないの？」とおっしゃらないことに
そしてトンチンカンな私を怒らなかった
幼稚園入園試験のおじいさんに
心から感謝しています。
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