また、緊急事態宣言が出ました。そのせいで、2021定期演奏会は無観客での実施となります。
無観客を選択した根拠等を説明しておきます。
◇仮に7・8月頃に延期とできるか ⇒不可能と判断
・そこまでに緊急事態宣言みたいなものが解除されるとは限らない
・特に宣言解除については、目標を達成していたのにも関わらず知事がゴールポストを移動させた前歴がある。
・練習場(学校の施設利用)も25日から停止となり、解除とともに再開の確証がない。本番直前に解除されても意味がない。
・卒団生(実際には大学1年)をそこまで付き合わせることも困難。昔と違って大学生は忙しいらしく、本番に設定した日がどうなるか見通しがない。
・教員の異動により、小学校合唱部の指導が変わった。これまでも、5月の演奏会までを一区切りとしてきている。
・おまけの理由として、合唱団の正装が冬服仕様であること。
◇中止ではなく無観客としたこと
・23日午後、ホールから無観客か延期・中止の検討を依頼される。
・中止は考えにくい。映画「トラ・トラ・トラ」にもあるように、真珠湾攻撃は直前の指示で中止したら和平が残る。現在の合唱団は、機動部隊に例えるならば単冠湾を出港した後の状態に近い。しかし、今回の演奏会は中止しても何も残らない。失うばかり。
・観客のほとんどが内部関係者であるような一般的な合唱団と違い、当団では全国からお客様がご来場される。無観客なり中止なりの連絡をするのであれば、今週末に行う必要がある。23日にホールから連絡がきたが、土日を挟んで、26日以降にあれこれ協議しても手遅れになるばかり。
◇ライブ配信しないことについて
・ライブ配信については、かなり早い段階で検討をしていましたが、出演者の肖像権等を考慮し、可用性がないものにしなければなりません。現在Youtubeにアップしている動画は、演奏の全体像しか映っていないものばかりです。可用性が保証される配信システムは、費用対効果が低いので、検討した結果実施しないことと決めていました。
・これから準備しても、NTTの回線工事も必要で、間に合わないと見込まれています。個人持ちのWi-fi等では、回線が不安定だそうです。そもそも音楽ホールは防磁設計ですし、記憶が正しければ、楽屋でも携帯の電波が不安定でした。
◇演奏会だけが本番ではない
・最近はめっきり仕事が入りませんが、レコーディングやテレビ収録も合唱団のミッションとしてあるのです。
・演奏会はその会場に来た人のものですが、レコーディングはその媒体を通じて多くの人に演奏を伝えることができます。
・今回の演奏は、演奏会向きに作り上げているので(レコーディング前提では音楽の作り方が違います)、どこまでそれに耐えうるかわかりませんが・・・。
・客席がカラということは、より響くということです。プラスの考えも強引にもつべし!
◇「社会生活の維持に必要なもの」とは・・・
・25日になり、寄席は観客有で営業続行するというニュースを目にしました。演芸は「社会生活の維持に必要なもの」という理由だそうです。これを聞いてちょっと舌打ちです。まさにその通りで、この理屈で押し通せる可能性もなくはないからです。ここで勘違いしてはいけないのは、「生命維持に必要なもの」とは違うということです。WHOだかが決めた健康の定義は、「身体的・精神的・社会的に良好な状態」であり(高校の保健の授業で覚えさせられた)、演芸場の観客になって精神的に良好になるのであれば、社会的にも良好になる、まさに社会生活に役立つものではないでしょうか。但し、合唱団の現状は、寄席と違い、貸しホールでの興行ということです。ホールから指示されれば仕方がないことなのです。
といったところです。
困ったことといえば、興行収入が全く見込めないことでしょうか。元々、金儲けで合唱団や演奏会をやっているわけでもなく、お客さん入れて演奏会実施したところで、そもそも赤字なのです。それよりも、このような結果にしてくれた政府や東京都などから、補助金だとか給付金だとかを引っ張り出してやりたいものです。店を閉めている飲食店が毎日6万円貰っているというニュースもあるようですし。
不透明さがあって恐怖なことは、今後一週間で状況が好転せず、知事がキレて、会場管理者が閉鎖を決断しないかどうかということです。今から代替会場なんて手配できるはずもありません。そうなれば、やり場のない怒りをもつ人間が増えるだけです。
昨年は早々と中止、今年は直前で無観客の判断。もし演奏会が4月25日ならば、感染症対策を講じて開催できただろう。この一週間の違いは神の悪戯なのだろうか。そりゃ、私は悪いこともそこそこしてきたけど、神に悪戯されるほど悪い人間だったのだろうか?
さて、練習もできなくなった。無観客だから受付系の準備やチケット対応もなくなった。おとなしく5月3日を迎えようではないか!