これまで何度も議会で取り上げてきた「ヤングケアラー」の問題。
まずは実態を把握するためにも調査を求めてきました。
そしてこの度、府中市のヤングケアラーの実態調査の結果が発表されました。
報告書はインターネットで公開されています。
ヤングケアラーと思われる子どもは小学校5年生〜高校3年生の5.4%(426人)。
その中で家族の世話により「何らかの影響が出ていて支援が急がれる子ども」は1.7%(131人)。
世話をしている家族が「いる」』と回答した子ども
小学生15.4%、488人(6人に1人)
中学生7.6%、 301人(約13人に1人)
高校生20人(2.8%、約35人に1人)
小中学校では全国平均より高い数値となっています。
ヤングケアラーの状態の子どもの 4~5割が「自分の時間が取れない」「宿題など勉強する時間がない」「精神的、身体的に大変」、「時間的余裕がない」と回答。
2~5割の子どもが周囲の大人に対して、「自分の今の状況について話を聞いてほしい」 「自由に使える時間がほしい」「学習のサポート」「将来の相談にのってほしい」と回答。
自由記述の欄からは切実な声が聞かれます。
- このようなアンケートを定期的に行ってほしい。回答する際に、いつでも私の思いを聞いて、寄り添ってくれる人たちがいると感じることができました。(小6)
- 私は家事を手伝ったりはしているけれど、自分の自由が無くなる状況ではないです。家庭内の問題と考えてあまり外部に助けを求めたりしにくく、逆に外部が簡単に口を出せるような 問題でも無いと感じ、難しい問題だと思っていました。そのため、学校やこういったアンケートで本人たちの要求や困りごと を聞き、対策を練るのが大事なのかなと思いました。(高2)
- 学校でいつでも気楽に相談できる場所がほしいです。行きたくないなとか言いづらい環境にならないようにしてほしいです。(小6)
- 家族を不安にさせてしまうと思うと窓口は僕らには難しい。行きにくい。だから学校でスクールカウンセラーのような機会を与えてもらえると行きやすいです。(中2)
- ヤングケアラーは必然的に一人で行動することが多くなり、精神的にもダメージがあると思うので、本人が話したいと思うときに自然に話せる場所が必要だと思った。(中3)
- カウンセラーや自治体に相談しても結局現状は変わらないと思うと、相談する気も失せてしまう人が多いと思う。相談したら、ただ同情するだけでなく確実にその子の状況を物理的に改善することを示すことで、ヤングケアラーの声がもっと届くようになり、国や自治体への信頼感も変わってくると思う。(高3)
- ヤングケアラーといってもいろいろ種類があるので、一括りにするのではなく、一人ひとりに合った支援をしていくことが大切だと思います。(中3)
- ヤングケアラーについて高校の授業で初めて知ったため、中学や小学校の授業など、早い段階で知ることができたらよかった。 (高2)
- 子どもを支援してくれる場所がどこにあるか把握できなくて、ハードルが高い。子どもへの支援をまとめた子どもにとってわかりやすい専用ホームページや、気軽に遊びに行ける場所(どんな話でも聞いてもらえるような場所)などをまとめたマップがあるとハードル は下がると思う。(高1)
ここに挙げたのはほんの一例。しっかりと子どもたちの声を聞いて、応じられる体制を作っていけたらと思います。