資産運用に関するセミナーを開くとリスナーから必ず聞かれことがある。
「今、私はまだ充分な余裕資金がありません。やっぱりFPって資産家相手のビジネスなんですよね」
FPとは富裕層相手のビジネスであり一般人はあまり縁がないものである、というイメージを持たれている方は実に多い。我々FPの中にさえ、そう思っているものがいる。FPは富裕層相手の方が儲かると(平然と)言うのだ。まあ全く間違っている訳ではないが、私はあまり共鳴できない。FPに限らずこの世のあらゆるビジネスは富裕層を顧客に抱えている方が有利なのは当たり前だからだ。私は教師もしていたが、裕福な家庭の生徒の家庭教師を依頼されたときは結構な報酬がある場合がある。だからといって富裕層しか相手にしないのかと言われれば人それぞれなので一概には言えないが、ほとんどは一般の家庭である。大事なのは一般の方がFPを必要とされていることを忘れてはならないということだ。現在、セミナーの他に大学でもFP講座も担当しているが、私は折に触れて次のように言っている。
「理想のライフプランを実現するためのFP(ファイナンシャル・プランニング)手法は、
①資産運用(今持っている資産を殖やすこと、不労所得)
②収入増(勤労所得を殖やすためのキャリアプランニング)
③節約(家計の見直し)
の3つです。これでダメなら夢や目標を修正するか諦めるしかないよね」
①の資産運用は資産を持っていないと出来ないが、②や③は誰でもできる。具体的に言うと、中高年の方は、一般的にキャリアはすでに完成しているので、資産がある方は①と③、資産の乏しい方は③の節約(例、保険の見直しなど)が有効である。
20代や30代の若い方についてはどうだろうか?基本的にほとんどの方は資産が乏しいため①の資産運用は難しい。「FP=資産運用の専門家」と認識している人はこれでFPは自分には関係ないと思ってしまうのだ。しかし②や③、特に②の収入増(キャリアアップ)は努力次第で大いに可能性があり有効だ。むしろFPに保険の見直しなど個別的な節約方法を相談するより、キャリアアップの方法を相談する方が良い。キャリアコンサルティングが出来るFPはこれから非常に重宝されるに違いないと私は思っている。
「資産がないから投資は出来ない」「自分には関係ない」と思っている(特に若い世代の)方へ。お金がなくても投資しましょう。投資すべきなのは資産(お金)ではなく、自分自身へです。方法はいろいろあります。
①体を鍛え健康に留意する→体が資本です。健康ならなんだってできます。
②勉強する→勉強することで人は何歳になっても変われます。
③友人をたくさん作る→「情けは人のためならず」将来役に立ちます。
④恋愛をする→相手ももちろんですが、何より自分を大切にするようになります。
FP事務所R&Aコンサルティング CFP 西本健
コラム(FP講座)http://www.randac.com/column.htm