無能探偵事務所の調査報告では、確実に「不貞」があった証拠が得られなかった。

父と話しても埒が明かないならば、不倫相手に聞いてみようと思い、弟と共に相手の住所に行った。

 

毎週水曜日はカラオケに行き、そのまま不倫相手の家で夕飯を食べて自分の家に帰るルーティンだった父。

その日を狙い、相手の家に行った。

大きな道路沿いのアパート2階。裕福でないことが見てわかる外観。2度と来たくないと思うような場所だった。

 

部屋の電気がついていたため、中にいることはわかった。

父がいればまた門前払いだろうと思い、父が帰るまで外で張り込んだ。

12月だったからかなり冷えた。

 

道路の向かい側と、アパートの入り口の二手に分かれて見逃さないよう徹した。

2時間ほど経つ頃には、私たちはすっかり不審者・・・。

大きな道路沿い故、そこまで人通りはなかったのが幸い。

 

体の芯まで冷えたころ、やっと父が階段を下りてくるのが見えた。

てっきり、不倫相手は外まで見送るだろうと思っていたが読みがはずれた。。。

出てきたところを捕まえたかったが、まったく思い通りにいかぬ・・・。

 

長いこと待ったのに、接触せずに帰るわけにはいかない。

致し方なく、直接訪ねることにした。