西方音楽館のブログ

館長と副館長が西方音楽館の魅力をお伝えします


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 現代のピアノに慣れ親しんでしまっていると、フォルテピアノは発達途上で未完成の、貧弱な音の楽器、というイメージを持ってしまうかもしれない。フォルテピアノが誕生したころは、大きなコンサートホールはなかった。昔の王侯貴族の邸宅では美しく響いても、現代の大きなホールでは、その繊細な美しさはなかなか伝わってこない。実は私もそんな一人であった。  

私の中でマイナーなイメージが払拭されたのは、もう78年前になるであろうか。東京文化会館小ホールで開催された小倉貴久子によるフォルテピアノ数台と現代のピアノとの弾き比べ、聴き比べコンサートであった。

ピアノ第1号を生み出したクリストーフォリ(1655-1731フィレンツェ)、モーツアルトやベートーヴェンが愛したヴァルター(1752-1826ウィーン)、ショパンやリストが愛用したエラール(1777~フランス)、それぞれの楽器製作者のフォルテピアノで、その楽器を想定して作曲された曲を聴くと、現代のピアノでは味わえない独特の美しさ、表現の仕方があることを知った。

 その後、私は誘われるままに弦楽合奏とフォルテピアノのアンサンブルを旨とする演奏団体に所属し、自分で弾く機会を与えられた。モダンのピアノの弾き方では歯が立たず、なんとも弾きにくかったが、軽くて浅い鍵盤の僅かな押し加減で微妙なニュアンスをつけられるフォルテピアノの魅力に、次第に嵌まっていった。ハイドンやモーツアルトなど、現代のピアノではどう弾けば良いのかわからなかった部分が、フォルテピアノで弾くと、すーっと自然に分かる、という経験を幾度もした。

 西方音楽館 木洩れ陽ホールで、フォルテピアノを借りてコンサートを開き、他演奏会場で催されるフォルテピアノのコンサートに足を運ぶうち、西方音楽館 木洩れ陽ホールは、フォルテピアノが大変美しく響くホールであることに気が付いた。いつの間にかフォルテピアノをホールに置きたい!と思い詰めるようになり、昨年20151月七條恵子による故小島芳子愛用フォルテピアノの演奏を聴いたとき、この楽器が欲しい!と率直に思ってしまった。しかし、そんなことは到底あり得ないこと。「夢のまた夢」と心の奥にしまい込み、ほぼ忘れていた。

 それが、紆余曲折を経て幸運が重なり、夢に過ぎないと思っていたこの楽器(故小島芳子愛用のフォルテピアノ。アントン・ヴァルター1795年製作 / クリストファー・クラークによるレプリカ1994年)がこの4月、西方音楽館 木洩れ陽ホールに設置されたのである。

 私が弾いても、音色の繊細さ・美しさ、タッチの微細な差異にたいする反応の良さに感動してしまう。やはり名器なのであろう。

 このフォルテピアノを活用し、多くの方々にフォルテピアノの魅力を知っていただきたいと思っている。

 故小島芳子愛用フォルテピアノの写真は、西方音楽館のホームページ http://wmusic.jp  でご覧ください。

 今後、フォルテピアノを用いたコンサートは、

 ●2016716日(土)16:00~川口成彦フォルテピアノリサイタル。

東京芸大卒後、アムステルダム音楽院に留学中。既にヨーロッパの音楽祭などにも招かれ、フォルテピアノ奏者として活躍中。

 ●2017122日(日)午後 小倉貴久子 フォルテピアノ・レクチュアーコンサート

日本を代表するフォルテピアノ奏者の一人である小倉貴久子さんに、フォルテピアノの歴史、作曲家と楽器の関係など、分かりやすくご説明いただきながらのコンサート。ブルージュ国際古楽コンクールアンサンブル部門及びフォルテピアノ部門1位。

 ●2017415日(土)午後 七條恵子 フォルテピアノ・リサイタル

オランダ在住で、海外でご活躍のフォルテピアノ奏者。ブルージュ国際古楽コンクール最高位受賞者。西方音楽館では、3回目の演奏となる。

 ●2017723日(日)午後 

久元祐子 モーツアルトピアノソナタ連続演奏会Vol.3  公開レッスン付き

先日625日にもフォルテピアノで演奏していただきましたが、来年もまたフォルテピアノでモーツアルトを演奏。

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