将来の日本を暗示するようなタイムリーな映画があるので紹介します。

「正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官」は、数パータンの移民と不法就労者を通じて"移民先進国"アメリカの現状を通して描いていますが、私たち日本人にとってはまだまだ他人事である「移民問題」を知るのに最適の一本です。

興味がおありなら6月にDVDがリリースされるので、是非ともレンタルしてみてください。
http://seiginoyukue.jp/


成功を求めてオーストラリアから観光ビザでやってきた女優の卵。
その彼女の弱みを握って関係を迫る移民局の事務員。

母国の将来をほとんどの国民が信じていないとさえいわれる韓国から来たはいいが白人中心のアメリカに馴染めずに不良仲間に入ってしまう少年。

アメリカの「ふしだらな風習」に染まり、不倫行為に走った娘に「罰」を与えてしまうイラン人家族。

911のテロリストに共感するような論文を教室で披露し、当局に睨まれ家宅捜査を受け、イスラム社会とチャットをしていたという証拠が見つかり、テロリストの濡れ衣を着せられ国外退去となるイスラムの少女。

一見関係がないように見える彼らが一本の糸で微妙に繋がっていて、ラストに大団円を迎えます。
心情的には彼らに共感する部分もありますが、一方で、彼らには甘えの構造が見え隠れするのです。
特にオーストラリア人の女優には全く同情できません。

そもそも外国に住むにあたって差別はある程度あって当たり前だと思います。多くの黒人、日系人をはじめとするアジア人は今世紀はじめそれはもう今とは比べられないくらいの差別を受けながら、テロにも走らず境遇に耐え、成功した人がどれほどいることか。

イスラム教徒も、彼らに言わせると「乱れきった西洋」、ましてやイスラムの敵であるアメリカに移住したがるのかわかりませんが、それ以上に自国に絶望を感じているという事でしょうか。
また、一見保守的な英国が、福利厚生が整っているなどの理由で理想的な移民先になっているという実態があります。
ロンドンにはインド系(こちらは亡命というより移民だろうが)とイスラム系が溢れかえり、これを嫌う純粋英国人はウェールズなどの田舎に移住し、ロンドンでは移民と純粋な英国人との人口比率
が逆転しています。

実際、イギリスにいるイラク人亡命者の人口が20万人と知って驚いたものですが、20万人といえば私の市とほぼ同じ人口なわけで、これだけの亡命者を抱える事のできる英国の懐の深さにま驚きました。

しかし、一方で難民の医療費が英国の福祉予算を圧迫したり、犯罪の温床になったりするのも確かです。
実はインドネシアやトルコなどの西洋との関係を重視するイスラム国にとって、純粋なイスラム国家創設を目指し、外国文化や外国人を排斥するイスラム急進派は煙たいだけの存在であり、政府によって弾圧された彼らが西洋側に亡命するという妙なねじれ現象が起こっています。

思想信条の自由という観点から原理主義者にとっては意外と住みやすい国となっているのだそうです。
イランのホメイニ師もパーレビ国王の時代にはフランスに亡命していました。大嫌いなはずの西洋に亡命というのも変な話ですが、そんな過激な指導者が移民先の国に不満を持つ若者を引きつけているのだそうです。

2005年の7月の地下鉄テロは記憶に新しいところですが、テロ実行犯はイギリス移民の二世でイギリス国籍を持つイスラム教徒でした。
移民の中には命からがら欧州にたどり着いた者も少なくなくそういう人達は故郷での過酷な生活を知っているだけに、少々の差別があろうが、貧しかろうが故郷よりはるかに人間らしい生活ができる。亡命者にすれば言論の自由があるわけであり、住まわせてもらっているだけでもありがたいと感じます。

問題はその二世なのです。彼らは親の代と違って異国に住まわせてもらっているという自覚は皆無で生まれた時から英国に住み、ほとんど英語しか話せず、イギリス人のつもりなのにイスラム教徒として見られる事に違和感や苛立ちを覚えています。こういう若者が自分の居場所を求めて原理主義者の集会に参加していとも簡単に洗脳されるのだそうです。

このように移民と日本国民との衝突などという事態が起こらないよう、日本政府がハードルを高くして、外国人の移住に制限を加え。これに加えて外国人犯罪者の増加という問題もあり、最近のアンケートでは移民どころか外国人旅行者の増加も嫌がる人が増えてきているのも、中国人犯罪者の暗躍が反映していると言えるでしょう。

TVではカルデロン一家の事が取り上げられ、話題になりました。のり子ちゃんは可哀想でしたが、法律は法律。こんな事を許せば観光ビザで入国して子供さえいれば永住できるという事になってしまいます。

移民問題を抱える多くの欧州が今「日本を見習え」とまで言っているのはこういう背景があるから。
民主党は中韓から何千万人も受け入れるつもりだという情報が飛び交っていますが、労組が支持基盤のひとつである民主党が日本の労働者の仕事を奪うことになったら何が「国民の生活が弟一」という事になるでしょう。 票田の為だけに移民を入れるのはやめていただきいものです。

「移民の中には優秀な人もいる。財産だと思えないの~」とか呑気な事を言っている人がいましたが、この狭い日本列島に、人口維持の為だけに無闇に外国人労働者を呼び寄せるとどうなるか想像に難くありません。
一旦住み着いた外国人は彼ら独自の都合・論理で暮らし、殖え、行動します。
いま、歯止めを掛けなければ、移民は時限爆弾となって子・孫の代に取り返しのつかない禍根を残す事になるでしょう。

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