皮膚科医 私の遺言  症例報告を書く | FF残日録のブログ

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広島県出身。各地で皮膚科の医療に関係してきました。2017年から,高槻の病院に勤めてます。過去の文書や今の心のうちを,終活兼ねて記して行こうと思ってます。2023/1/8に、dermadreamからFF残日録のブログに名称変更。

関西医科大のT教授と大阪医大のM教授のお計らいで、講演させていただきました。そのエッセンスです。臨床家にとって患者サンお一人づつを丁寧に診察させていただいて、現在であれば、ご同意を得て、学会発表や論文(できれば英文)にしてさらなる臨床サイエンスに寄与しましょう、という論旨です。主に指導者向けの講演でした。Webというのは楽だけど反応がわからないので、消化不良の感が続きますね。

 

「 不思議だなと思うことを正確に正直に記載し、科学的な好奇心(curiosity)でその核心に迫るのは、症例報告の醍醐味といえます。一例報告を積み重ねることで新たな疾患単位につながり、その治療法を探ることが新たな臨床研究につながり創薬に結びつくかもしれません。時々、症例報告をしない臨床医がいますが、どのような言い訳をしようと、怠け者です。怠け者は、症例報告から始まり展開するscience dreamの邪魔者です。

 教授職というのは、怠け者のふりをする医師に、可能性を見いだし自覚させ、症例を報告するという共同作業のなかで、お互いの好奇心を築くことにあると思っております。好奇心ある限り思考停止は無いと信じています。」