※BL妄想書庫です
苦手な方はお気を付けください
んん
んん
んん
かわいい歌が聴こえる
ひらひら
小さな布が舞った
ふわふわ
白い桃が浮いている
ぷらぷら
バナナが実っている
誰が歌っているのだろう
布はなぜ舞ったのだろう
桃はなぜ白いのだろう
バナナはなぜ目の前で揺れているのだろう
音がプツリと途切れて、映像がプツリと途切れる
混乱している?
いや、落ち着いている
落ち着いている?
いや、ヨダレが止まらない
そうだ、バナナが美味しそうだからだ
どうしようもなく美味しそうで、どうしようもなく食べたくて、首に力を入れて浮かせば、唇を尖らせれば、届く、もう少しで蜜の滴るバナナに届く
あーん
ぱく
あぁ、ほらね、やっぱり美味しい
「智!」
「食べたい」
「動いたらダメっ!」
なんでダメなの?
なんで…ダメ…なんだっけ?
ふわふわ
また白い桃が浮いている
桃もすごく美味しそうだ
バナナはダメだったけど、桃ならいいのかもしれない
食べちゃおうかな
…あれ?
違う
これは、お尻だ
ニノのお尻だ
そうか、さっきのバナナもニノのだったのか
それは美味しいに決まってるね
ニノ?
どうしたの?
なんで悲しそうな顔してるの?
今すぐ抱きしめたいのに、動いちゃダメって言われてしまう
理由は分からない
でも、ニノがダメって言うなら動きたくない
その水を飲んだほうがいいんだ?
俺は動けないから、ニノがやって
ニノの身体が近付いてくる
ニノの顔が近付いてくる
ニノの唇が、俺の唇に、触れる
ニノとのキスはいつでも気持ちいいけど、このキスは…なんだろう、気持ちいいだけのキスじゃない
柔らかくて、優しくて、なぜか…心配…?されているみたいだ
慎重に触れていた唇が離れてしまう
「もっと」
ニノを感じたい
「もっと」
ニノに触れていたい
水分じゃなくて、ニノが欲しい
つづく