【レビュー】人生を変える幸せの腰痛学校 | にのりんぐ

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認知行動療法という言葉(文字通り言葉だけ)を知って、興味を持ちながらも、
大きな期待を抱いているわけでもなかった。
そんな中、何がきっかけだったかは忘れたけど、少し前に購入したこの書籍。
まさに“目から鱗”だった。

腰痛歴約15年。
ここ数年は特に低調。
この1年で、いくつかの整骨院と、それに整形外科での●●治療…
どれも、一時的に、“なんとなく”の効果しか感じなかった。
いや、“きっと効いてる”と思い込もうとしていただけだったかもしれない。

体幹トレーニングもかじってみたけど、
即効性があるものでもなく、
根気も続かず、その気になった時だけ。
誰かこの腰治して・・・という気持ちでいた。


そんな僕の腰痛が「読むだけで治る」という奇跡が本当に起こった。

“気の持ちよう”とか、そういう薄っぺらいものではないんだけど、
これが『脳科学』というものなのかな。
この本を読むことが、認知行動療法を受けるということなのだと思う。
僕なりの認識の仕方を書いてみる。
(あくまでも、僕なりの、です)

まずは、これまでの腰痛に対する認識を振り返る・・・
「僕の腰は悪い」
「なんとか良くならないだろうか」
「腰がいつ痛くなるかびくびくしている」
「腰の痛みによって仕事の効率や生活の質、気分が変わる(悪い方に)」
などなど。

また、仕事中を含め日頃の姿勢(立位・座位)や、歩き方や走り方など、
常に腰のためにどうしたら良いかを意識していた。
でも逆に、気が緩んで、あるいは仕事上仕方なく、
良くないと思われる姿勢が続くと、
「あーまた痛くなった」と。
(そもそもそんなにいつでも気をピンと張っていられないって)

「腰痛」をいかに自分から遠ざけるかということばかり考えていた。
無意識下に、僕は腰痛に縛られていた。

それが、この本を読んで、変わった。

まず便宜上、自分の体を、『脳』(≒心)と『体』に分ける。
そして、意識を向ける対象は、
『腰痛』とか『腰』とかではなく、『体』全体。
自分の『脳』が、自分の『体』を見る。

その上で、自分の『体』を、とても大切なもの・最愛の対象と認識する。
自分で分かりやすくするため、今息子二人しかいない僕(の『脳』)は、
自分の『体』を、娘と思うことにした(笑)
そして名前を付けて、心の中で“●ーちゃん”と呼びかけるようになった。
(イタイので本名も●の文字も秘密ですw)

最愛の娘がぐずった時や、夜泣きした時に、
「くそーうるさいから泣きやめ!」とは言わないよね?
「よしよし、どうしたどうした?」って優しくあやすよね?
最愛の娘がちょっと悪いことしたからって、
おまえは悪い子だ、
なんでそうなんだ、
おとなしく良い子にしていなさい、
なんて言わないよね?
腫れ物に触るように接しないよね?
「どうした?何がいやだった?」って、
何かに対して不安や不満があるのかなと探したり、
どうにか理解してあげようとしたり、
心地良いようにしてあげたりするよね?
とにかく、我が娘への愛情を思いっきり表現して、
たくさん抱き締めてあげるよね?
そんな感じ。

・・・書いてみるとちょっと恥ずかしい(笑)


こういう風に認識が変わることで、本当に腰痛が和らいだ。
正確に言うと、『脳』が自分の腰が悪いと認識しなくなった。


それと、これが腰痛の原因だ!と一般的に言われているようなことは、
ほとんどが根拠(医学的エビデンス)のないことであること。
これをしっかり理解・認識することも重要。

「こういう原因があるから、こうすると良くなる」という情報は、
逆に、そうじゃないと腰に悪い、と思い込んでしまうことでもある。
悪い意味で『腰』及び『腰の痛み』に意識が集中し、
結局、だから腰が悪いんだと『脳』が認識してしまう。
それの積み重ねで、「腰痛持ちである自分」が出来上がってしまった。
長年、暗示をかけられ続けたように。

その暗示を解くのが、認知行動療法なのかな。


「腰が痛い」、「自分の腰は悪い」と
『脳』が認識することがなくなったことで、
僕は腰痛から解放された。

たまに、『体』の中で、“腰のあたり”が調子悪いことはある。
でもそれは、『体』全体の他の部位でも起こりうることと同じ。
たまにどこかしら調子悪いことは、そりゃぁ、あるよね。

『体』の調子が悪そうな時は、愛する娘がちょっとぐずっていると思って、
心の中でよしよししてあやす(笑)
愛情が足りなかったのかなと思って、
たくさんの愛情を持っていたわってあげる。
これだけ。

ストレッチをしたり、ゆっくり温かい風呂に入ったり、
たまに息子にマッサージしてもらったりするけど、
それは、「腰痛を良くするため」ではなく、
「体を心地良くしてあげるため」のこと。


認知行動療法とはこういうものだ、と言えるものでもないし、
著者の本当の意図とは違うのかもしれないけど、
僕なりの解釈はこんな感じ。

とにかく僕は、これを読むだけで、腰痛から解放された。


腰痛に限らず、『慢性的な体の苦痛』に困っている人には、オススメの一冊です。