妄想小説です。ご注意ください。BLの意味が分からない方はブラウザバックでお願いします。

 

 





 


*末ズパート*

 

(潤目線)

 

「・・・くん・・・潤くん?どうしたんですか・・・?」

 

肩を優しく揺すられて瞼を開けると薄暗い室内、目の前には心配そうな瞳をしたニノの顔があった。

 

「・・・え?」

 

「随分と魘されていたみたいですけれど・・・?」

 

左手をベッドマットに突いた状態で上半身を起こし、腰をねじるような体勢で俺を見下ろしながら、ニノは俺の頭を撫でてくれた。

 

「・・・怖い・・・夢を見た」

 

「・・・夢?どんな夢ですか?」

 

「・・・ニノが・・・いなくなる夢」

 

俺がそういうと、ニノは「ふふ」と笑って、瞼に優しいキスを落としてくれた。

 

「僕、ここにいるじゃないですか」

 

穏やかな笑みを浮かべたその人の首に腕を回すと、肌に感じたニノの温もり。

 

よかった・・・俺はニノを失ってなかった。

 

そう実感した瞬間に、安堵感から緊張が緩んでフッと涙が溢れる。

 

・・・ニノを失う。

 

夢の内容はよく覚えてはいないけれど、とにかく『ニノが俺の前からいなくなった』という、そのことだけが強烈な印象として俺の中に残っていた。

 

「潤くんって、見た目と違って本当に甘えん坊さんですよね」

 

抱き合ったままでニノは身体をベッドマットに落とすと、縋り付くように抱きつく俺をギュッと抱きしめてくれた。

 

「大丈夫ですよ・・・僕たちはずっと一緒です」

 

「ニノ・・・絶対に俺をおいていなくならないで」

 

・・・ニノを失ったら、俺・・・死んじゃう。

 

「当たり前じゃないですか」

 

「・・・約束して」

 

「・・・約束します」

 

その言葉を聞いて腕の力を緩めると、唇に軽くキスをしてくれる。

 

ふと我に返った感じで気恥ずかしくなって、

 

「・・・今、何時?」

 

ニノに背中を向けてぶっきらぼうに問う。

 

「朝の5時・・・外が少し明るくなってきましたね」

 

ブラインドのスラットの隙間から差し込む薄い光の方向を視線で示して、そのままバックハグをしてくれた。