夢のつづき㊦ | ニノ大好き!嵐の大宮ラブで始まりラブで終わる日々

ニノ大好き!嵐の大宮ラブで始まりラブで終わる日々

タイトル通り嵐の大宮が
大好き~♪

こんな可愛い生き物見たコトない!

画面の隅っこで垣間見られる2人の姿に心がほっこり癒され萌えます

優しくそして時には乱暴にリーダーに愛されてるニノが基本です。




こんばんは。
遅筆すぎて合わせる顔がありません。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



目が覚めた時

空っぽの隣を見て、ああ、やっぱりねって
ため息ついて

あと何回こんな目覚めに耐えなきゃいけない
のかそれとも果たしていつの日かこの虚しさ
に慣れる日が来るんだろうか、とリーダーを
恨めしく思ったり

だからいつも通りそんな虚無感を抱きながら
寝返りを打ち天井を見上げて……

飛び起きた!

まだ寝起きの動かない頭をフル回転させる

ラインがあっ……て、空港迎えに行っ……

うん!夢じゃない!

「だって……!」

だってここは紛れもなく何百回と見慣れた
リーダーんちの寝室で

そしてオレはもれなく裸だ

リーダーどこだろ?

脱ぎ散らかしたままの服を身に着け廊下へ
出ると微かに気配のする作業部屋の全開に
なったドア向こうにキャンバスに埋もれた
さっきは気付かなかった背骨の真ん中辺り
に小さな赤い点のついた背中が見えた

噛まれたあと?

知り得る限りの虫が頭ん中を蠢き出す前に
クロスさせた両手で腕を激しく上下に擦り
体を揺さぶる

いつもながら年がら年中あんなもんがウジャ
ウジャいるとこによく住めるな

仮にリーダーから一緒に来てくれ!て懇願
されたら、ありとあらゆる殺虫剤と虫除け
スプレー持ってかないと1週間と耐えられ
ないな、なんて考えてたら

たまたまなのか気配に気付いたのかゆっくり
と振り向いたリーダーと目が合った

一時は遠ざけていた、彼の思いが詰まった
唯一無二なこの空間にいるってことはまた
描きたくなったんだろうか?

手に取っていた台本サイズのキャンバスを
傍らに置いて立ち上がったリーダーは鼻の
下を掻きながら笑った

「会った時わかんなかったけど」

「なに?」

「痩せたな」

「そう?変わんないけど」

嘘だけど

「ちゃんと飯食って寝てっか?さっき起こす
のも可哀想なくらいグーグー寝てた」

「そりゃ爆睡もするでしょうよ、なんせもう
ガンガンにヤられましたから」

手加減してとも言わなかったけどね

「誘ったのお前じゃん」

「それ、もう誘ったの後悔したわ、折り曲げ
られたり押し潰されたり、もう股関節外れる
かと思った」

「くはは!」

「テキトーに抜かないとね」

リーダーが、えっ?て顔をしたからなにか
変なことでも口走ったのかと焦って慌てて
言葉を続けようとする前に

「さてはニノ!お前」

「な、なに?」

噛みつく勢いでリーダーが近付いてきた

「やってんだろ!?」

「え、やる?……ああ、だって、溜まるし」

「信じらんねー!オレの知らないとこで!
この、浮気者!」

「浮気っ!?」

「お前だけはと信じてたのに」

「……!あのな、一人で処理する、これの
どこに浮気が当てはまるんだよ!」

「それな、その処理するって言い方がなーんか
気に食わないんだよ、なんか、その……」

「アンタだって抜いてんだろ」

「ない」

「嘘つけ」

「オレはニノのちんこ以外興味ない」

「あったら怖いわ!」

その時は無人島に放り込むしかない 


それからの3日、本当にどこにも出ないで
ふたりっきりで過ごしたかったけどそうも
いかず

事務所へ出向いたり久し振りにメンバーと
飲んだりしてその日はあっという間にきた

帰る……違うな、あっちへ一旦戻るだけだ

だから帰るとは言わない

この人が帰る場所はここしかないから

朝からソワソワと落ち着きのないリーダーを
見て思う

言うタイミング探してる?

いいよ、ハッキリ言いなよ、今日の夕方には
ここを発つって

言いにくい?でも大丈夫、オレ知ってるから

ホントは朝イチの便だったけどキャンセル
待ちの最終便が取れたって、昨日の夜マネ
ージャーから聞いたから

それが貴方の今できる精一杯の優しさなら
それだけでオレは耐えれる

たぶん、だけど

乾燥機から引っ張り出してきたリーダーの
洗濯物を持ってリビングへ入ると

帰ってきた時のペラペラの手提げカバンじゃ
なくデイパックをダイニングの椅子に置いた
リーダーがその傍らに立ったまま振り向いた

なに、その思いつめたような複雑な顔は?

今朝はまだ1度も笑った顔を見てない

「全部乾いたよ、持ってくでしょ?」

「あ、うん」

「他は?なんか足りないもんある?」

「ニノ、あの……」

「ネット注文もう懲りたでしょ?オレ探して
また送るから、まあ、あんまり専門的なもん
言われたら困るけど」

ありったけの既成事実をかき集めてリーダー
にはオレが必要だと自分に言い聞かせる

それが今の自分にある、たったひとつなにより
の安定剤だ

「ニノ、話が」

「あ、ねえ、相葉さんに電話した?」

「電話?ああ、うん、した」

「相葉さんと言えばさ」

今さら関係ないどうでもいい、もしかしたら
もう何回も話してる内容をまたいちから話し
始める

それが尽きそうになると芋づる式に昔のバカ
なエピソードを引っ張り出して必死に続ける
オレをリーダーは顔を伏せたまま相槌を打つ
よう無言で頷きながらたまに寂しそうな笑い
皺を張り付かせた顔を上げた

そんな顔見たくないし、させたくない

なのに自分がなにを喋っているのかわからない
ままとにかく口を動かし続けた

「ニノ」

とうとうしびれを切らせたリーダーの声を
無視するように

「でもあれ、翔ちゃんが言うには……っ!」

一段と声を張り上げるオレに負けじと

「ニノ!」

リーダーも苛立ち気味に声を張り上げた

「ニノ、話がある」

聞きたくない

「今日の夜な」

強がって見せる昔からの性分は自分でも
呆れるくらい得意なんだけど

「最終の便に乗る」

どうしてかな、リーダーの前ではいつだって
上手くできない

「ごめんな」

簡単に崩れてしまう

なんでもいい、なにかしてはないと

「ごめん」

目が合わせられない

「また電話する」

また?思わず顔を上げる

「またって、ゆっても」

「あんまオレからしてないっけか」

飴玉を転がすように舌先で口の中をなぞり
ながら頷く

体が震えてきた、この場から逃げ出したい

神さま仏さま、それ以外の誰でも構わない

今のオレのたったひとつの願いを叶えて
くれるならなんでもやる

だから

もう少しだけこの人を独り占めさせて

「ニノ」

オレの大切な、誰よりも大事なこの人を
また遠くにやらないで

リーダーの力強い手に引っ張られその胸に
がんじがらめにされて

「泣くなよ」

初めて自分が泣いてるのに気付いた

首筋や背中に感じるリーダーの手のひらは
温かかったけど、震えるオレの身を止める
には優しすぎた

いつまでそうしていたかはわからない

耳元で

「ニノ、オレな」

思いつめたような重い声がした

「オレな、帰ってくんの怖かった、お前に
泣かれたり……行くな、って言われたらどう
しようって」

「うん」

「毎日会いたくて……毎日抱きしめたくて
ニノの声が聞きたくてたまんないのに……
会うのが怖くて、逃げてた」

湿り気味の声が涙声に変わった

「ごめん、ニノ」

「いい、いいよ」

「好きだ、ニノ、愛してる」

「智!オレも、オレも……っ!」

誰はばかることなく声を上げて泣きながら
しょっぱい味のする互いの唇を貪った

泣かないって決めてたし泣かないと思って
たけど、想像以上にオレの感情は爆発して
抑えきれなかった

ほんとうはいつだって泣きたかったし

いつだって簡単に泣けた

でもそうすると回りが、特に相葉さん辺りが
すごく心配するから

だから平気な振りしてた

得体の知れないなにかからリーダーを
取り戻せないのが悔しくて

なにも出来ない自分の無力さがはがゆくて

ただただ、神さま

お願いだからオレや相葉さんや翔ちゃんや
Jのもとへこの人を返して下さい

そう祈った

いつもいつも、本当にそれだけを祈った


空港へはひとりでタクシーで行くと言い張る
リーダーに根負けして一緒に部屋を出ること
にした

一足先に玄関で待ってると、作業部屋で見た
キャンバスを手にしたリーダーがゆっくりと
した足取りでやってきた

「これ、持ってく」

そう言いながらデイパックの口を広げ

「描きたくなった」

大事そうにキャンバスをしまった

「なんもかも嫌になって、なんも考えたく
なくて……向こう行ってもなんもやる気なく
て、でもな、不意に描きたくなった」

「そう」

「ニノを描きたくなった」

「え?」

「もう少しだけ待っててほしい、そしたら
オレは絶対帰ってくるから、ニノのとこに」

「うん」

「オレの帰る場所はニノんとこだけだから」

「うん」

「帰ったら一緒に暮らそう」

オレの描く未来図はいつだって白紙だった

どんなペンもどんな色やどんな紙を使っても
どれも実体のない絵空事のように思えて完成
したことがなかった

その未来図に1本の線が描かれようとしていた


静まり返ったエントランスを抜けセキュリティ
解除されたホールドアの前でふたり同時に立ち
止まる

「ここでいい」

「うん」

「最後にチューするか」

「ふふ」

なにか言い忘れたこと聞き忘れたことは
なかったかと考え立ち尽くすオレの肩を
リーダーが軽くポンと叩いた

「ちゃんと飯食えよ」

うん

そう答えたいのに空気を求めるように口が
パクパクするだけで声が出ない

「じゃ行くわ」

待って、もう少し……

「またな」

最高の笑顔でそれだけ言い残しリーダーは
1度も振り返らず早足で出ていった

例えようのない喪失感と絶望感に襲われて
後先考えずなにもかも放り出して後を追い
たくなる

なにもかも……仕事も信用も捨てて……

できっこないそんなバカな考えをふるい落とし
地下駐車場へと急ぐ

寂しくてたまらなかった

それでもオレはここで待つしかないし
待ち続けるだろう

ふたりを繋ぐものはこれからも永遠に
離れることはないから

そしてそれは

夢のつづきとして


これからの未来図に描き継がれていくだろう。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



終わりました。

ありがとうございました。