この一年半の間、入退院を繰り返していた私の病気は『膵炎』だ。
最初に発症したのは、和歌山県で単身赴任生活をしていた2018年11月の事。
休日にサイクリングしている最中に発症して、救急車で病院に運ばれたのだ。
膵炎とは
膵臓は十二指腸へ消化酵素を出す臓器で、主にタンパク質を消化するアミラーゼを出す。
障害が発生し膵臓に炎症が起こると、自身の膵臓や周囲の臓器の組織にもダメージを与える。この現象が膵炎だ。
膵炎の発症原因の多くは、アルコールによるものだが、原因不明の突発性も珍しくない。
現に私の晩酌は、缶チューハイ1缶程度の飲酒量だったので、それが原因だったのかは怪しい。
膵炎の自覚症状は、胃から背中の痛みや嘔吐や発熱だ。
症状が出た時には炎症が起こっているので、静養しても痛みは治まらない。
何より我慢できない程の激痛で、大人しくなんてしてられない。
膵炎の治療方法は絶食して安静にするしかないので、入院が必要だ。
10日位の入院となり、帰宅後もアミラーゼの分泌を抑える為、脂質を制限した食事の管理が必要だ。
急性膵炎を発症した人の70%が数年以内に再発する。
私も同様で、再発は最初の発症から約2年半後の2021年6月。
和歌山のマ先輩宅でバーベキューをした翌日に倒れた。
怖いのは何度も再発すると膵臓が壊死し、消化機能が低下してインスリンの分泌が減少し、糖尿病になる事。
そして、悪性の膵嚢胞が膵癌に進行する事。
膵癌の5年生存率は約12%と発症部位の中で最も低い。
※胃がん75%、肺がん47%、大腸がん76%、乳がん93%、前立腺がん100%
2021年6月の再発以降、10月と12月にも再発し彦根市立病院の緊急外来に駆け込んだ。
思えば、ココからが闘病生活と言える。
再発する病気とはいえ、再発予防の脂質制限や禁酒は徹底して行っているのに、医者は再発の原因が分からないと言う。更に、毎月再発する事例は聞いたことが無いとも。
毎回、突発性の膵炎と診断されるが、これ以上何を注意したらいいのか分からない生活がストレスだった。
成人男性は、一日に約60gの脂質と2000kcalのエネルギーを摂取しているけど、私は30gの脂質と1600kcalのエネルギーの制限食で、一年間で体重が83kgから67kgへ16kg減少した。
特に筋肉量が減少し、鉄棒にぶら下がられなくなった。
サイクリングでも、以前の様にペダルを踏めなくなった。
そして、11回目の再発で大学病院に転院する事になる。
7月に滋賀医大病院での検査入院を予約したけど、医大病院に行く前に膵炎を再発するので予定が何度も伸びてしまった。
ようやく9月に医大病院での検査入院。
消化器内科で有名なドクターによると、一年間に12回も再発する例は聞いたことがなく、再発回数で全国で1位かも?と気の毒がってくれたが気持ちは複雑だったな。
膵嚢胞切除手術
検査の結果、膵嚢胞のいくつかは良性と診断されたが、炎症が再発する原因となる困った嚢胞(膿の様な物)も確認され切除手術を行うことになった。
10月に滋賀医大病院で手術の為に3週間の入院。
術後の回復は良好で、予定より早く退院できたのは幸いだった。
検査入院時の消化器内科病棟からは、隣の病棟しか見えなかったが、消化器外科病棟は景色がいい。遠くに琵琶湖と比叡山が見える。
入院生活
医大病院内の施設として、院内図書室があった。
この蔵書量にニコニコ。まともに歩けず体から管や線が出ているのに、点滴棒を転がして利用しに行った。
受賞作品もこうやって紹介してくれている。
汚れた本の多い彦根市立図書館より、管理が行き届いている。
それだけ、長期間の入院が必要な患者さんが居るんだろう・・・・
病院食は術後の重湯から始まり、退院前にはラーメンが出た。
チャーシューやラーメンの汁なんて何ヶ月振りに口にしただろう。
退院時、病院の自動ドアが開くと、少し冷たく感じる空気に季節が変わっていることに気が付いた。
今回の手術で再発の原因は取り除いた。
今後も定期的な検査はあるが、約1年半の闘病生活には一区切りがついたので気分は晴れやかだ。
何年か経って、読み返した時の為に備忘録を記す。
入院中、お見舞いの言葉を頂いた皆様。
ありがとうございました。
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