今回の症例は「うつ」についてです。患者様のもっとも辛い症状(主訴)がうつだったのでこれについて書いていきますが、症例を挙げる前に1つだけ注意して欲しいことがあります。それは「 施術効果には個人差があることです。 」
【 症例 男性 84歳 】
■予診票からの患者様の情報
発症は約2年前で病院で「うつ」と診断されました。過去に患った病気として肝不全があり、これは若い頃に患っていたとのことです。
過去に鍼灸の経験はあり、お嫁さんが色々ネット検索をして当院を探して頂いた上に事前に相談の電話があり、説明に納得されたために見えたとのことです。

■東洋医学の観点からみた患者様の状態
食欲はないが無理をして食べている。(飲みこみにくいのでお茶で流し込んでいるとのこと。)小便は量は少ないが回数が多い。大便は硬くも柔らかくもない普通の時と柔らかい時がある。睡眠は1時間半して目が覚めるとそれからは眠れなくよく夢を見るとのことです。
お腹の状態はお腹に手術痕が残っている。臍を中心に抵抗がある。脈の状態は浮数。(皮膚に軽く触れるよく脈が分かりなおかつ脈の打ち方が早い状態)。以上より肝虚証で心に影響を及ぼしているためにうつ状態になったのではないかと東洋医学的な診断をしました。
■治療方針と治療経過について
治療方針は①脾胃(胃腸)の働きを良くして気血を増やすこと。②肝臓の働きを良くなるように促すこと。以上が基本になります。状態を良くするために週2回の施術は必要だと説明しました。
治療経過は15回施術をさせて頂きましたが、イライラ感・胸の締め付けられ感は少し改善されている感じはありましたが、食欲の改善や脈の状態はほとんど改善することができませんでした。16回目の施術を予約されるもご家族様から連絡があり、動くことができないので通院が難しいと言われたためキャンセルという形に致しました。

【 考察 】
キャンセル後に一度振り返ってみました。診断自体はどうなんだろうと考えるとこれで良いと考えますが、ツボの配穴に問題があったのかもしれません。これは今後の課題になります。次に検討したのはこの患者様の状態の良し悪しです。食欲もなく飲み込む力も落ちていて睡眠もとれず胸が締め付けられるような状態で脈が浮いて速いというケースだったので相当体力が落ちていると想定できますが、患者様の希望をなくすのは良くないと思い懸命に治療を致しましたが、僕の力不足でダメでした。
*症例はすべての患者様に当てはまることはありません、体力・症状の程度により個人差があります。