「おひさまいいきもち」「猫は日焼けなしよ」

 

昨夜の凄まじい嵐から一夜明け、穏やかな日差しが降り注ぐ。ガラス戸を開けると、猫たちは日だまりにやって来る。にっきもはっかもおとなしく外の気配に耳を澄ましたり、毛づくろいしたり。台風一過の通例で気温が上昇した。確かに暑いことは暑かったが、空は高く青い空は澄んでいた。(大風の後だから特に。)猫たちよ、秋が来た。10月だ。

 

よーいどんで食べ始め、食べ終わるのもほぼ同時

 

食欲の秋。猫たちはよく食べる。天高く猫肥ゆる秋、となってはまずいので規定の分量以上に餌を与えることはしないし、滅多におやつもやらないので、猫たちは不満かも知れない。人間が朝起きてくると、猫たちの「ご飯ちょうだい」コールは凄まじい。人間が外出から戻った時も「どこ行ってたの?ご飯食べたーい」コールは嵐のごとく。ドライフードを文字通り「カリカリ」と貪り食う。アニマルセンター(獣医さん)の待合室で出会ったとある猫は、いつも缶詰(ウェットフード?)をもらっているとのことだったけれど、どのような違いが出るのだろう。

 

 

「ほんとはまきびし好きなの。」 / 「にっきのねずみであそぼうかな、やっぱりやめとこ。」

 

スポーツの秋、とは言えはっかは何をするにもゆったり寝そべったままが好き。珍しく今日はまきびしやねずみの玩具を追いかけてしばらく遊んだ。いざ走るとなると、にっきにも負けないダッシュをするのだが、そういう姿は滅多に見られない。おもちゃをにっきがかっさらっていってもはっかは特に抗議しない。鉄拳を食らわすのは、にっきが彼女の静寂を不用意に破るときだけ。

 

 

「そのひも、わたしがあそんでたのよ」「あれっ、あれっ、そうだった?」「いいかげんにしてね」

 

やはりにっきははっかに一目置いているのか、じゃれつくというより周りを飛び跳ね、時たまちょっかいを出しては叱られて(と、人間の目には見える)、かしこまる。仲がいい時にはとても仲睦まじく、時たまぶつかってもまたすぐ仲直り。絶妙な距離感で共存している。そんな猫たちの関係を観察するのはとても面白い。猫たちは初夏にこの家へやってきて、季節は巡り今はもう秋。

 

「おひさまにあたると、けがわもふわふわよ」

 

猫たちと人間たち。どちらもゆっくりと近づいて、生活のリズムを作り、珍しがりながら、徐々に互いの存在に慣れ親しんでいく。猫たちが毎日見せる姿は、同じようでいていつも違う。秋の猫はどんなだろう。秋刀魚を焼くと、猫と人間の闘争になるので決心がいる。奪われまいと魚に必死にかぶりつく人間は、猫から見たら浅ましいかな?だとしても、絶対に気が抜けない!