猫と日食(17) -リアルタイム- | にっけいしんぶん新聞

猫と日食(17) -リアルタイム-

甘苦上海#287

空が急に暗くなった。暗雲に呑み込まれていくようだ。雨が来るのかな。どうしたのだろう。人々が車をポプラの並木に寄せて、外に出て来る。趙も異変を感じて車を停めた。
外に出てみると、鳥が鳴き騒いでる。見る間にあたりが寒々となり、明るみを失っていく。
日食だ、と気がついたのは、車から出た人々が、東の空を見上げていたからだ。


おー、今日にぶつけたか!
勝負してるなー!


…東京は残念ながら雨模様、せっかく知人に譲ってもらってまで日食グラスを用意して、今日は仕事を抜け出す覚悟で臨んだのに、観測は難しそうです…。
上海から遥か離れた合肥のさらに奥地で、「一足先に」日食に遭遇できた紅子が羨ましいです…。