20代男性海外旅行離れ -調査結果- | にっけいしんぶん新聞

20代男性海外旅行離れ -調査結果-

-5面-

国土交通省は10日、海外旅行満足度・意識調査の結果を発表しました。過去3年間海外旅行をしていない20歳代の男性で「今後海外旅行に行きたい」と考えている人は31.9%にとどまりました。3年間海外旅行をしなかった女性の57.1%が「行きたい」と考えており、20歳代男性の海外旅行離れが目立ちます。過去3年間に海外旅行をした3000人としなかった600人を対象に今年2月、インターネットで調べました。

過去の推移や他の年代も、ましてや過去3年間に海外旅行に行った人行かなかった人の比率も示さず、これだけ抜き出して「20代男性海外旅行離れ」と言われても困ってしまいますね。

過去3年間に海外旅行に行かなかった20代男性は、同様の20代女性に比べ、そもそも海外旅行に興味のない人である割合が高い。

ただそれだけです。
まあ調査結果を全部載せろとはいいませんが、「海外旅行離れ」というなら、もう少しそれっぽいデータも見せて欲しかったところです。


・・・それはさておき記者、30代男性ですが、そういえばここんとこ「海外旅行離れ」してました。
うーん、もう何年行ってなかったろう。

という言い方でわかるとおり、先日ひと足早めの夏休みをとって、海外旅行に行ってまいりました。
行き先はシンガポール。
現地に仕事で駐在している友人が何から何までアレンジしてくれて、あんなところこんなところ連れて行ってくれまして、3日間たっぷり楽しんでまいりました。
マーライオン、オーチャード通り、ナイトサファリ、シンガポールズー、クルーズ、フライヤー(観覧車)・・・

ええ、奥様お子様もいらっしゃいましたので、極めて健全な観光です。
それでもこどもっぷりなら3歳児といい勝負の記者、お子さま以上にはしゃぎまわりましたよ。
食べ物もひととおりおいしかったし。
よし、次回は単身赴任者にアレンジを任せておとなの男のナイトサファリじゃ!

・・・あ、いや、コホン。

しかしまあなんだかんだいってシンガポールといって思い浮かぶのはやはりマーライオンですよね。
「世界三大がっかりのひとつ」と謳われることもありますが、最近は大きくなったのでそうでもないよ、などと意見の分かれるところ、ここは実際に検分しなくては、とはりきって見に行ってみました。
すると・・・



あれがマーライオン
ん、あれか?





これがマーライオン
こ、これ?


もしかして、改修中?




これぞマーライオン
え?

ついでに元祖の小さいほうも??



うひゃあ、こりゃあがっかりだあっ!



・・・と、マーライオンにはがっかりさせられましたが、シンガポール、とっても活気のある街でした。
ショッピングセンターも地下街も大賑わいですし、オーチャードなんて朝から晩まで人、人、人。
どっからこんなに湧いてきてんねんと思うくらい。
カジノもユニバーサルスタジオも作ってるしF1もやってくるし、景気よかったよなあ、と思い出しながら新聞をぺらぺらめくっていたら・・・

「シンガポールGDP6.6%減 4-6月」 (9面)
SARSで経済が減速した03年4-6月期以来の落ち込み。


あ、あれでそんな落ち込んでたのか・・・?
いや待てよ、よく見たら・・・

1-3月期の15.6%増から大きく減速

1-3月は15%増って中国以上じゃないの。
やっぱ基本的にすげえ景気いいんじゃん。
おまけに4-6月期も減速の中身は、

成長減速の主因はサブプライムローン問題などによる外需の伸び悩み。
建設業など内需は好調で、同部門は前年比15.2%増だった。


だとさ。
だよなあ。
行ってみればわかるよ。
うんうん。

まあ昔のシンガポールも知らなきゃ、今のほかのアジアの国がどんな具合かも知らないけど。

紙面でこの記事のまわりを見ると、

中国「外需頼み」に限界 貿易黒字11.8%減 米消費低迷も響く
とか、
インド新車販売が減速 金利上昇・燃料高響く
とか、あるいは韓国がウォン安是正に躍起になってる話とか、アジア中で景気の悪そうな話が並んでますけど、実際どんな感じなんですかねえ。
見てみないとわかんないですねえ。
行って見て来たいですねえ。


海外旅行から離れてる間は、別に海外にまで遊びに行かなくても国内でいいや、と思っていましたが、久しぶりに行ってみると、またどっか行こうかなと思ったりするから不思議なものです。
国交省の調査結果にも、案外そういう面が表れているかもしれませんね。
行ってない人はこれからも特に行きたいと思わず、行ったら行ったでまた行きたくなる、という感じで。
実際に聞いてみないとわかんないけど。

ちなみにこの調査の本来の目的は、観光立国を標榜する中で、国際相互交流をはかるため海外旅行者数の拡大を目指しているにもかかわらず、ここ数年20歳代を中心に出国者数が伸び悩んで(20歳代は25%減)いる原因を究明するためのものだそうです。

見てみると、結論として20代男性が海外旅行に行かない理由は、海外旅行にそれほど行きたいと思わない(選好度が低い)上に、テロや感染症が怖い、経済的に厳しい、ということのようです(ざっと見ただけですがたぶんこんな感じ)。
うーん、後ろ2つは国交省ではどうしようもないですね。

ところが、じゃあ「なぜ選好度が低いのか」という肝心の点には調査で触れられていません。
んー、そこを引き上げるのが仕事じゃないのかな?

調査から半年近くかけて210頁もの壮大な資料にまとめられてはおりますが、この調査結果、今後の政策にどう活用されるのでしょうか・・・。



リンク:海外旅行者満足度・意識調査の結果
※取材協力:某金融機関シンガポール支店T氏。ありがとうございました。