今日の愛ルケ(#398) | にっけいしんぶん新聞

今日の愛ルケ(#398)

この記事は渡辺淳一先生の連載小説「愛の流刑地」を記者が個人的な視点で読み解く記事で、性的な描写かなり出てまいります。そのような記述を好まない方、ストーリーをブログ上で知りたくない方、並びに15歳未満の方はご遠慮ください。
と断っておりましたが、最近は性的な描写はほとんどでてまいりませんので、むしろ性的な描写をお望みの方はご遠慮なさったほうがよいかもしれません。
なお、記者がまとめたあらすじ中の灰色文字部分は、作品のテイストをできるだけ伝えるために原文をそのまま引用した部分です。



秋思 八

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検事側が強調したかったことは、冬香が亡くなったあとの、家庭の悲惨さのようである。
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うーん、なんて突っ込みどころの多い冒頭の一文なんでしょう。

○ふつう、「検事側」って言うのかな?

○強調したかったことといえば、夫の有能さもかなり強調してたんじゃねえか?

○いや、夫が有能なのを強調したかったのは検事じゃなくて先生なのか?

○でもお前は妙に落ち着いていて、せっかく検事が強調したのにぜんぜん伝わってねえじゃねえかよ。

○あ、でも菊治、今回の「ようである」の使い方は間違ってないからそこだけは評価してやるからな。


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夫や子供の悲しみと負担は大きく、とくに幼い三人の子供には深い心の傷を与える。そんな大罪を犯した男は断じて許せない。
検事の訴えたいことは傍聴人にも充分伝わり、すすり泣いている人もいるようである。
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被告人席にはあまり伝わっていないようですけどね。


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実際、菊治自身も打ちのめされて、反撥する気力もおきない。
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打ちのめされてたのかよ!?


めっちゃ飄々としてるじゃねえかよ。

つうかお前、打ちのめされなくても基本的に反撥しねえじゃねえかよ。


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だが裁判長は冷静に審理をすすめ、弁護人に質問はないかときく。
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そりゃ、いっしょにすすり泣く裁判官はちょっと嫌だ。


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北岡弁護士はメモを片手に立ち上り、証人にきく。
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お、いよいよ白縁眼鏡対決ですね!


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あなたは奥さまと、一緒に旅行をされたことがありますか?
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は、はぁ?

何をききだすんだ、いったい・・・。

いきなり脱力モード全開だぞ。


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「新婚旅行のときに、ハワイへ・・・」
「それだけですか?」

突然、質問の方向が変って戸惑いながら、証人は、ええ、まあと曖昧に答える。
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うーん、この場合、「突然質問の方向が変って」戸惑ったというよりも、「突然、変った質問をされて」戸惑っているというのが正解じゃないでしょうか・・・。

たしかに検察側から弁護側に質問の方向は変ったはずですが、的外れっぷり、ありえなさっぷりはまったく変っておりません。

ていうかさ・・・

どうせそれで「お前が嫁はん孝行してないから寝盗られるんだ」ってことをいいたいんだろうけどさ・・・


子供三人もつれて海外行けるか!!


いや、いけねえことはねえだろうけど、記者のまわりのチビちゃん連れは三人兄弟どころか二人兄弟、ことによっちゃあ一人っ子のところでも「海外旅行なんて考えられん」といってるヤツはいるぞ。
「奥さま」とか「夫婦の記念」とかいいたいのはわかるけど、子供の存在を忘れてるところがイタイよなあ・・・。


ていうかもしさ・・・


「去年まではちょいちょい行ってましたがなにか?」


とかいわれたらどうするつもりだったんだ?

質問終わっちゃうぞ。


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「では結婚記念日とか誕生日に一緒に食事や、プレゼントなどをなさったことはありますか?」
夫が黙りこむと、検事が立上る。
裁判長、ただいまの質問は事件に関係ない、不要な質問だと思います」
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おまえがいうな。

自分の質問を振り返ってろ。


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裁判長は「待ってください」と検事を制してから、「要点を手短に」弁護士にと注意する。
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なにを「待て」といってるのか分からんけど、とにかく裁判長、今度はその注意を検事にもしてやってくださいな。


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北岡弁護士はうなずいて・・・
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出た!

余裕綽々、必殺のうなずき!!

いよいよ出るぞ、キタベンの真骨頂!!!


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あなたは、大変、有能なサラリーマンのようですが・・・
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いいぞ!

どうきいても皮肉にしかきこえないぜ!!


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「・・・のようですが、奥さまに家庭を任せきりで、奥様をいたわったり、奥様の気持をきいてあげるようなことは、あまりなさっていなかったのではありませんか?
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うん、いいぞキタベン。
まったくもってお前らしい質問だけど、でもはっきりいって・・・


大きなお世話だ。


だいたい、それは不倫の原因になっても殺人の原因にはならねえぞ。

ましてや嘱託殺人の立証には何の役にも立たねえぞ。


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瞬間、証人は弁護士を睨みつけ、きっぱりという。
「わたしは一家が安全で楽しく暮らせるように懸命に働いてきたのですが、なにがいけないのですか」
=======================ここまで=

はい。

はっきり申し上げましょう。



冬香と結婚したのがいけない。


あなたのような価値観をお持ちの方、ましてや公衆の面前でそんな主張を堂々となさるような方は、あなたの年代(四十歳すぎ)では少数派でしょうし、記者も同意や賞賛はしませんが、だからといってそれをむきになって否定する気はありません。

そう、あなたはただ、結婚する相手を間違えたのです。

有能だけど仕事オンリーの旦那をうまくおだてていい気分にさせることのできる、もうちょっと気の利く、もうちょっとマシな女性と結婚していれば、こんなことにはならなかったはずです。
お見合いであんなタチの悪い女をつかんでしまったのがそもそものあなたの失敗といえるでしょう。


・・・つうかさ・・・

この裁判さ・・・

ふつうの裁判官に裁いてもらうんじゃなくてさ・・・




みのさんとこいけ、みのさんとこ!!