家庭向け二足歩行ロボ -テヅカからミヤザキへ- | にっけいしんぶん新聞

家庭向け二足歩行ロボ -テヅカからミヤザキへ-

遠隔操作で留守番も -11面-

ロボット開発ベンチャーのZMPは12日、家庭向けの人型二足歩行ロボット「nuvo」を発表しました。同社によると、この種の家庭向けロボットの発売は世界で初めてということです。
全長39cm、重量2.5kg、バッテリーで連続1.5時間駆動。リモコン操作で歩行やダンスなどの動作をこなし、外出先から携帯電話で遠隔操作し、内蔵カメラで留守番役をさせることもできるということです。
専用サイトで12日から受注を開始、価格は58万8千円。

二足歩行ロボットといえばホンダ、ソニー、トヨタ、あるいは科学技術振興機構あたりが先端だと思っていたら、馴染みの薄いベンチャー企業が出し抜く。
日本のロボット業界にはまだまだ伏兵がいるかもしれません。

さて、これまでの二足歩行ロボットの見た目の記者の印象は、ホンダの「ASIO」は宇宙飛行士、宇多田ヒカルのPVでもおなじみ科技振の「PINO」はピノキオ、ソニーの「QRIO」は小太りの「C-3PO」、そしてトヨタの楽器演奏ロボットは捕まって解剖される宇宙人といったところですが、いずれもどこか似通っている感がありました。
色も白を基調としたものばかりです。

しかしこの「nuvo」のルックス、ライバル達とは明らかに一線を画しています。
間違いなく「天空の城ラピュタ」や「ルパン三世」など、宮崎作品に登場したあのロボット兵を意識してますね。
多少不気味な感じがしなくもないですが、ロボット兵とちがって腕がだらりと長くないのでかわいらしく、より親しみやすくなっていると思います。
そして、販売用ということで充実しているのがカラーバリエーション。
基本はこの4色です。



色違いでポーズを決めると、格好よくもあり、かわいらしくもありますね。
製作者がどこまで意識したのか分かりませんが、シャア専用の赤、グフの青と、ガンダムファンにおなじみの色もラインナップされているのもうれしいところです。
これならおもちゃとして、あるいは先進的なインテリアとして大いに活躍が期待できますが、ただ、お留守番をするには迫力に欠けますね。
ここはひとつ、侵入者を威嚇するような黒やこげ茶色あたりのバージョンも欲しいところです。
暗色のロボット兵を十数台並べてザッザッと行進させればキャシャーンのアンドロ軍団並みの威圧感となり、侵入した空き巣もきっと逃げ出すことでしょう。

しかし、無人の自宅で行進するアンドロ軍団。
想像すると、身長39㎝の自分のおもちゃでも、けっこう本当に恐いですね。
これはフレンダーの代わりに「アイボ」でも買ってきて戦わせるしかなさそうです。

キャシャーンの与太話はさておき、普通の4色のラインナップでは物足りないという方にオススメしたいのが限定100台の特別モデル、その名も「nuvo japonism」。
まずはご覧ください。



漆、金箔の蒔絵装飾入り。
価格は末広がりの税込み88万8千円。


いかがでしょうか。
「鶴をモチーフにした和のデザインを、本朱色の漆の筐体上に、重ねました。漆、金箔をあしらった金沢の蒔絵の技法を、職人の技により実現しました。」とは販売サイトの解説。

ま、蒔絵ですかぁ。
いや見事ですねぇ。
日本の最先端技術と伝統技術の融合ですよ。

なるほど、シャア専用の赤と思ったこの赤は、なんと日本古来の「朱」だったのです。
このようなものを見せられると、蒔絵装飾入りのシャアザクを見たくなってしまうのはファースト世代としてしかたないところでしょうか。
それはともかく、ここまできらびやかになると、おもちゃのロボット兵などと呼ぶのは忍びなくなりますね。

ただ・・・

これじゃお留守番どころか、このロボットを狙う泥棒に入られてしまいそうです・・・。


参考サイト: ZMP  nuvo 。 写真も同サイトより。