バレエ流派続編:「ロシアバレエ」とひと口に言っても… | 浅草 ピアノ教室 《高島ピアノ塾》 のブログ        No Music, No Life ~ミューズをつかまえろ~

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浅草・入谷・台東区のピアノ教室《高島ピアノ塾》。
歴史と文化の地で本格的なレッスンを楽しみませんか。
主宰者・高島登美枝は、早稲田大学法学部出身の異色のピアニスト。
バレエと声楽の伴奏者として活躍するかたわら、
東京藝大大学院に社会人学生として通学中です。


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浅草 台東区のピアノ教室《高島ピアノ塾》主宰、
バレエピアニスト・歌曲伴奏者の
高島登美枝です。
本日もご来訪ありがとうございます。
 

先日の

バレエの流派(スタイル)の話の記事が

ご好評をいただいておりますので、

今日はその第2弾を

書こうと思います。

 

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前回の記事では、

ロシア系の教授法の先生の

クラスを弾くときは、ちょっと注意が必要という話をしました。
 

実は、同じロシアでも

モスクワ系と

サンクト=ペテルブルグ系で

さらにスタイルが違うんですね。

 

この要因はおそらく

歴史的事情に起因しているものと

思われます。

 

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ロシア・バレエは

帝室の手厚い保護のもと、

バレエの先進国フランスから

振付家を招聘することで

発展を遂げていきます。

19世紀末にはとうとう

低迷する本家フランスを

追い抜く水準となり、

振付家マリウス・プティパによって

ダンス・アカデミックと呼ばれる

バレエの基本テクニックが

完成されることになります。

 

この当時、ロシア帝国の首都は

サンクト=ペテルブルグにありました。

19世紀を通じて、

フランス直輸入のバレエは

この首都にある帝室劇場に

国家のお抱えの

フランス人振付家を通じて

もたらされてきました。

だから、

ペテルブルグ側は、

「うちが宮廷のある首都」

「うちが本場フランスの伝統を継承」

「うちが本家」

…という自負バラがあるわけです。

 

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一方、ロシアバレエには

ロシア特有の民族舞踊的な要素を

上手に吸収することで、

本家を越えて

発展できた面もあるわけです。

 

この点に関して

『ダンスマガジン』の編集長、

三浦雅士先生はご著書の中で…

 

・コサックダンスのように

男性が雄々しく踊る民族舞踊

 

・女性を横抱きに抱えたり、リフトする

遊牧民由来の曲馬団の曲芸

 

…の存在を指摘しておられます。

(三浦雅士『バレエ入門』

東京:新書館、2000年、111-12頁)

 

こうした

民族舞踊を取り入れたスタイルは

とりわけモスクワの観客たちに

人気がありました。

 

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やがて革命が起こり、

首都はモスクワへと移転します。

ロシアバレエは

この激動の時代を切り抜け、

ソヴィエトにおける

重要な「文化輸出品」の座赤王冠

占めることになりますが、

その中心を担ったのが、

首都モスクワの

ボリショイ劇場バレエ団でした。

 

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ロシアバレエの教授法自体は、

モスクワもペテルブルグも

20世紀初頭に

アグリッピナ・ワガノワが確立した

ワガノワ・メソッドで行われていますが、

こうした歴史的経緯から

アームスの動きや頭の角度に

かなり違いがあります。

 

また、音の取り方にも

微妙な違いがあるので、

クラス伴奏で要求される

音楽の好みにも差があります。

 

ざっくり言うと

モスクワ=ダイナミック、力強い

ペテルブルグ=エレガント、柔らか

 

こうした傾向の違いは

クラシックだけでなく、

キャラクター・ダンスでも同じです。

 

たとえば、

モスクワ系はキャラクターでも

5番ポジションが基本になりますが、

ペテルブルグ系だと

3番ポジションが基本になります。

 

ロシアバレエの作品は、

キャラクター・ダンスを重視するものが多いのですが、

クラシックとキャラクターを

厳然と区別しようとする

ペテルブルグ系と、

両者を統合的に捉えるモスクワ系との

舞踊観の差が

端的に表れていると思います。

 

両者の音の好みの違いは、

キャラクター・クラスでは

クラシック以上に顕著で、

選曲はもとより、

奏法(タッチ)も弾き分けないと

ならないことがあります。

 

ちなみにこの差は

モスクワと

ペテルブルグの

音楽院における

ピアノ教育の傾向の差とも

おおむねリンクしているようです。

 

面白いでしょ。

 

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最後に、ロシアバレエの仕事での

最高に幸せな思い出の写真を一枚。

 

こちら↓ワガノワバレエ学校の名教師の一人

リュドミラ・コワリョーワ先生。

マリインスキーのプリマ、

ディアナ・ヴィシニョーワを育てた方です。

 

 

めっちゃハグハート
このところ毎夏ご一緒させていただいていますが、

これは2014年の時のもの。

 

先生は、

私のクラス伴奏も

コンサート用にアレンジした《パキータ》も

とても気に入ってくださいました。

私も、先生のクラスが

とても弾きやすく感じました。

相性がいいっていうヤツですね。

 

前回掲載のサラ・ラムさんと言い、

コワリョーワ先生と言い、

バレエ伴奏に関して、

私は本当にありがたい経験を

積ませていただいている、

幸せ者でございますおじぎ

 

《高島ピアノ塾》
高島登美枝

東京メトロ日比谷線 入谷駅 徒歩4分

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