「東海道五十三次の謎」その2

 

  難解を極めるカッバーラを駆使した預言書『諸世紀』を残した「大予言者ノストラダムス」はユダヤ人であったがキリスト教徒でもあった。中世ヨーロッパでは圧倒的に「カトリック教会」の力が強かったためだ。なにせ、この時代、ヨーロッパに吹き荒れたのは「魔女狩り」の嵐で、ノストラダムスも魔女だ疑われて逃げていた時があったくらいである。

 

◆「偉大なるメシアの法」の預言

 

 日本ではあまりにも「1999年7の月」の予言詩が有名になりすぎ、ノストラダムスの予言は1999年までと思い込んでいる人が多いが実際は異なる。ノストラダムスは人類の未来を3797年まで預言すると言い残しているのだ。これは息子に宛てたとされる「セザールへの手紙」に登場している。

 

「ノストラダムスの予言集」

 

 「さて、一週間を通じて時々予言に驚かされ、夜中の研究に甘美な香りを与えてくれる長い算定に没頭しつつ、私はこの百篇ごとの天文学(占星術)的な四行詩からなる予言の書を構成したのである。私はそれを少々曖昧な形でつなぎ合わせることを望んだが、それは現在から3797年までの永続的な予言なのである。」

 

  『諸世紀』というタイトルは、最近は誤訳とされ使われなくなったが、筆者がかなりむかし購入したのは『諸世紀』であった。最近は単に『予言集』と呼ばれているが、この『予言集』は、「百詩篇集」と名付けられた四行詩と、散文による2つの序文から成っている。生前に刊行されたのは642篇の四行詩と息子に宛てた序文のみである。死後、さらに国王アンリ2世に宛てた献辞(第二序文)と300篇の四行詩が増補・出版されている。死後増補されたものは、ノストラダムスの自筆かどうかについて、現在でもなお様々な議論があのだが、17世紀になってからもさらに別の四行詩や六行詩などが追補されている。

 

 

 筆者は五島勉氏のノストラダムスシリーズを拝読していたが、その中で一番気になったのは、「日本」に関する予言である。ノストラダムスは「日本」に関する重要な預言を、「太陽」という言葉でいくつも残しているが、中でも最も重要とされているのが『予言集』第5巻53番に記された「偉大なるメシアの法」の予言である。この翻訳にはいくつかのバージョンがある。

 

①太陽の法と金星とはともに対を成す

 預言の賜物を使いながら

 どちらも他方同士が分離存在するのではなく

 大いなるメシアの法は 太陽の輝きで受け継がれるだろう

 

②太陽の法と金星の(法)が争い合うだろう

 預言の精髄を適用しつつ

 一方も他方も理解されることはないだろう

 偉大なメシアの法は太陽によって保たれるだろう

 

③日の国の法と金星の法が競いあう

 予言のエスプリ(=霊)をわがものとしながら

 双方たがいに耳をかたむけないが

 偉大なるメシー(メシア)の法は 日の国によって保たれるだろう

 

 「太陽の法」などというと、すぐに亡き大川隆法を思い出してしまうが(笑)、これはノストラダムスの日本に関する予言の中でも最も重要な、且つ日本に対するメッセージだったと考えるべきである。なにせ、「偉大なるメシアの法」という「救世主」に関わる予言である。そこに日本が関わっているとなれば、日本が今後、世界との関係でどういう立ち位置になるかが決まるものでもある。

 

 太陽=日の国=日本である。この予言の解釈は、「日本の科学力が世界を救う」とされる。しかし、この預言がもつ本質は、もっと高次元に属する預言である。なぜなら「メシアの法」や「太陽の輝き」という『聖書』と対を成す名称が記載されているからだ。そのヒントが隠されているのは『東海道五十三次』である。なぜなら日本に関するこの預言詩の番号が「53」だからである。

 



 ノストラダムスは「大いなるメシアの法」以外にも、日本に関する重要な予言を残している。それは、ノストラダムの予言が終わりを告げることに日本が関わっているというものだ。


 どんなに長く待ってもやってこない 

 ヨーロッパからではなくアジアに現れる

 ヘルメスの進路から出て、東洋の王たちすべてを超えるだろう

 月が20年も力を持ち続け、太陽が今度は力を握る

 そのうえ太陽は最後の力を示しやがて終わる 

 我が予言はかくして終わる

  (第10巻75番)

 これらの予言詩を見れば、「日の国」または「太陽」が、「月の時代」の後に世界を支配し、その国に現れる「ヘルメスの進路」から出た「別のもの」により「偉大なるメシアの法」が説かれるとき、「わが予言は終わる」ということになる。「月」とはキリスト教の象徴でもあり、アメリカの象徴ともされている。

 

 もし「月」がアメリカの象徴なら、「月の支配の20年」とは、冷戦が集結しアメリカの一極支配の時代に入った1991年からという説が有力だった。オバマ大統領によるアメリカの終焉である2011年の翌年の2012年からということになるが、その場合、ノストラダムスは「2012年に救世主が日本から登場する」ということを予言していたのであろうか。

 

ローマ教皇フランシスコとオバマ

 

 また、「月」がキリスト教の象徴なら、現在のローマ教皇フランシスコが第266代ローマ教皇に就いたのは2013年3月19日である。そして、教皇フランシスコは、史上初のイエズス会出身のローマ教皇である。イエズス会は戦国時代に日本にやってきて布教をしつつ、日本をどうやったら支配できるかをずっと企んできた組織でもある。そして、現在のローマ教皇は、聖マラキの予言によれば、最後のローマ教皇である。

 

 2013年からの20年とは、2033年。つまり、イエス・キリストが十字架の磔刑で亡くなり、復活を遂げてから、ちょうど2000年である。オバマの正体は、ロックフェラーが見つけてきた、古代エジプトのファラオにして、大予言者モーセと対立したラムセス2世の末裔であり、「ヨハネの黙示録」が示す666の獣「偽メシア」である。そして、教皇フランシスコはその「獣」を「救世主」として世界に崇めさせる「偽預言者」である。

 果たしてそんなことが「東海道五十三次」に描かれているのだろうか。あるのだ。これぞ「ヨハネの黙示録」が示す666の「偽メシア」と「偽預言者」と思われる絵が描かれているのだ。

 

<つづく>