本番までの軌跡

「1年を通して本物のお金を生み出す」

 

これを最終ゴールに2023年1月から始まったソルクラス。

ソルクラスを担当している中島が1月の最初の授業にて、子ども達に向けてソルクラスの目標を伝えました。

 

その時の子ども達は、その目標がどれだけ難しいことなのか、どれだけ自分の時間などを犠牲にしなければならないのか全くわかっておりませんでした。

 

合宿が始まって数ヶ月間は、時間を守れない、外部の講師が来たときに挨拶ができない、タスクをやってきていないなど、お金を生み出すのかやどのくらいのお金を生みだすのかというビジネス以前の問題が多くありました。

 

それでも、子ども達は逃げ出したり、諦めたりせず、毎月毎月改善を行おうと努力をし、1年をかけて大きく成長しました。

 

そんな生活面での成長をしていく、一方でソルクラスの大きな目標である「1年を通してお金を生み出す」に向けて毎回新たな知識や思考法を学んでいきました。

 

ソルクラスの子ども達はトートバッグ、ランチトート、シューズバッグ。

この3つを販売することを決定しバッグのデザイン・発注個数・販売価格・販売戦略・プロモーション・お店のレイアウト全てを子ども達で話し合い、決めていきました。

 

子ども達が顔を合わせて話し合えるのは月に1度の合宿内の数時間だけです。

その少ない時間の中で諸々を決めるためには、ロジカル部門の3時間だけでは足りず、合宿内のフリータイム(休憩時間)や自立ミッション(布団敷きやお風呂・荷物整理)などの時間を費やさなかればなりませんでした。フリータイムや自立ミッションでルナクラスが談笑している中、ソルクラスは大人顔負けのミーティングを行なっておりました。当然、子ども達はルナクラスの子ども達と同様に遊んだり、おしゃべりをしたかったはずです。しかし、1つの大きな目標に向けて、子ども達は全員でほとんどの時間を費やしてきました。

 

そんな日々を過ごし、バッグのデザインも当日の販売方法も決まりました。

しかし、バッグを発注するのにも、お店の場所を抑えるのにもお金がかかります。ソルクラスの子ども達はお金を持っていませんので、どうにかしてバッグの販売にかかる資金を集めなければいけません。

 

ソルクラスでは、資金調達としてクラウドファンディングとNIJIIROからの会社融資。この2つを行うことにしました。

 

クラウドファンディング120,000円

融資180,000円

合計300,000円

 

クラウドファンディングでは、自分たちが応援してもらうにはを考える必要がありますし、融資ではバッグが売れるという根拠を説明しなければなりません。

 

この資金調達が子ども達をとても苦しめるものになります。

 

クラウドファンディングでは、文章や画像などでしか自分たちの活動や頑張りを説明することができません。そのため、人が応援したいと思う文章や内容はどんなものか、共感してくれるのはどんなことかを考えて作成しました。

 

時間をかけてクラウドファンディングの準備をしたものの、残り1ヶ月を切っても支援額が1,000円と目標までまだまだでした。そこから子ども達は子ども旅プロジェクトのイベントでの声かけ、公式LINEでの声かけ、自分の友達や知り合いへの声かけ。地道で泥臭い活動を行いました。

 

その結果、177,000円と目標を大きく上回る額のご支援をいただくことができました。

 

 

一方、NIJIIROからの融資はというと、

これも大きく苦戦を強いられ、クラウドファンディングよりも厳しい現実を突きつけられることになります。

 

融資を受けるためには、NIJIIROの社長であるつっつーと面談をします。

これは財務部のまむがメインで行ます。

まむは、資金は何につかうのか、いつ返済するのか、返済ができる根拠は何か(売れる根拠は何か)などを資料を作り、彼女なりに丁寧に説明しました。

 

ですが、結果としては融資が受けられませんでした。

 

自分たちは何ヶ月もかけてバッグのデザインを考えたり、当日の販売方法も必死に考えました。だからこそ、自分達のバッグがとても素敵なもので、みんなが手に取ってくれる。そんな気持ちになっていました。

 

しかし

第三者から見たら普通に売っているバッグと何も変わらない。

なんでそれをソルクラスのことを知らない人が買うのか。などと

とても厳しい指摘を受けました。

ここで、子ども達は他人からお金をいただく難しさやお金の大切さを痛感させられました。

 

その後も

2度、3度と融資の面談にチャレンジしますが、その度にダメ出しをされ、中々自分達のバッグの良さや売れる根拠というものが説明できません。

融資を蹴られる度にミーティングを行い、面談の練習を全員で行いました。

 

イベント当日まで残り1ヶ月を切った段階でも融資を獲得できていませんでした。

子ども達は資金がなければ販売会も行えないという焦りを強く感じるようになります。

 

資金が調達が急務となる中、まむが高熱を出して融資の面談ができなくなります。

これまで1人で融資面談にチャレンジしてきたまむですが、本番まで時間がないというところで一旦離脱してしまいます。

 

しかし、ここでソルクラスの絆が見えました。

 

合宿中に高熱を出して帰ることになってしまったまむは最後まで自分の仕事を全うできなかったと責任を感じ、涙を流します。

 

一方、他のメンバーはまむが帰ることが確定した後すぐにミーティングを行い、自分たちが代わりに面談をしなければいけないと結論を出し、面談の準備をすぐに行いました。

 

保護者の迎えを待つ中、泣いているだけではいけないと、残されたメンバーに自分の作った資料やつっつーから指摘されたことを事細かに引き継ぎを行いました。

 

翌日、残されたメンバーでまむの想いを引き継ぎ、なんとか融資を受けることに成功しました。

 

そして、いよいよ販売会当日。子ども達はかなり緊張していました。

初めて行うビジネスというもの。どうなるのか全く想像もできずに本番が始まりました。

自分たちがお店の前で声かけを行なっても、無視されるのが当たり前。

チラシを渡そうとしても受け取ってもらえないのが当たり前。

こんなんで誰か買ってくれる人なんかいるのか・・・?

子ども達はそう感じたはずです。

 

開始から2時間1個も売れず、立ち止まってくれる人も全然いません。

 

そんなとき、若いカップルがお店の前で足を止めて、子ども達の説明を聞き購入してくれました。

 

子ども達は、商売の難しさや働くことの大変さや、自分たちの商品を買ってくれた嬉しさと感謝を心から感じました。

 

とはいえ、初日は自分たちが立てていた目標には全然届きませんでした。

初日を終え、宿に戻り反省会や明日はどうするかの作戦会議を行い翌日に備えました。

 

迎える2日目。この日が最終日であり、泣いても笑ってもこの日が最後です。

 

子ども達は目標達成できなかった悔しさ、1日目に後悔してしまったこと。それぞれの想いを胸に全力で販売会に臨みました。

 

その結果、開始1時間で4個を買っていただくことができました。

 

2日目は順調に進み、お昼過ぎには前日の販売個数を超えていました。

子ども達も自信がつき、前日より積極的に声かけができるようになってきました。

 

その結果最初は通り過ぎた方がわざわざ戻ってきて購入してくれました。その人曰く何か惹かれるものがあったとおっしゃっておりました。

 

また別の人は買おうとした際、手持ちがなかったのにも関わらず、わざわざATMに行きお金をおろして、再び来ていただいた方もいらっしゃいました。

 

ソルクラスのことを知らない方も買ってくれましたが、ソルクラスの子ども達のことを知っている(子ども旅プロジェクトで出会った)お友達がわざわざ来て、子ども達の作ったバッグを手に取ってくれました。

 

子ども達は知っているお友達が応援に来るととても明るい顔になり、すごく喜んでいました。

 

そうこうしているうちに2日目が終わりました。

 

結果としては、135,000円の売り上げでした。

クラウドファンディングと合わせると子ども達だけで312,000円を動かしたことになります。

 

 

この販売会で子ども達が大きく学んだことは「心からのありがとう」「応援される嬉しさ」「辛いことを乗り越えた後の達成感」「お金を稼ぐことがどれだけ大変か」など今後の人生のいろんな場面で必要になるであろう要素だと思います。

 

もちろん、お金がどのように動いていて、何をしたら買ってもらえるのか、どんな訴えができたら足を止めてもらえるのかも学んだと思います。

 

それでも、子ども達が1番強く感じたことは、家族がしてくれていることは当たり前じゃないこと、人の気持ちを動かす、お金を動かすのがどれだけ大変かということだと思います。

 

今回のソルクラスの子ども達が他の子達に比べて圧倒的に優秀だったかというとそうではありません。ソルクラスの子ども達がこの結果を残せたのは、諦めたり、投げ出したりせず最後まで仲間と共に走り抜けてきたからです。

 

 

 

 

  最後に

 

今回のソルクラスの活動は子ども達だけではなく、会社、私個人としても初めての挑戦でもありました。可能な限り1年間のシミュレーションを行い走り出しました。しかし、想定通りに行くことのほうが少なく、子ども達には想像以上のプレッシャーやストレスを与えてしまい、保護者の方にも多くのサポートをしていただく結果になりました。その中でも、私を信じ、大切なお子様を預け、子ども達の活動が上手くいくようにと全力でサポートしていただいた保護者の皆様に心から感謝を伝えたいです。

本当にありがとうございました!

そして、たくさん厳しいことを言われたり、プレッシャーやタスクを与えられても最後まで一緒に駆け抜けてくれた子ども達にも感謝と賞賛を送りたいです。

ありがとう!

そして本当によく頑張った!

 

イベントに参加したり、体操教室に通っている子ども達、保護者の方々や当日お忙しい中、足を止めてくださった一般の方々にもたくさんの支援をしていただきました。

ありがとうございました。

 

今後とも子ども達及び我々株式会社NIJIIROをよろしくお願いいたします。

 

🌈2023年アルティメット・セレクションアカデミー

ソルクラス 担当

中島 智紀(ゴリさん)🦍