「バス来ないバス停」 認知症患者見守る 行方不明防止、交流の場に | 本のブログ

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今年94歳になった私の母親は、相当認知度が低下してきた、たぶん、物忘れ外来など受診させれば「認知症」の判定をされるかもしれない。

母親とは、長いこと付き合っているのである程度心の準備はできているつもりだが、遠く離れて暮らしていて突然「行動がおかしい」などと連絡が入ったら、相当動揺するだろうし、適切に対応できないかもしれない。

この試みは、よく理解できる、まずは、被介護者の心を落ち着けるのが先決で、それから、彼や彼女が可能な生活に戻していく、場合によると、長い時間を掛けて取り組まないといけないかもしれない。

年老いた人も、実際は自分(の未来の姿)とつながっていることを考えると、邪険には扱えないことに気がつく(・・・人がいるかもしれないね)。

「バス来ないバス停」 認知症患者見守る 行方不明防止、交流の場に ベンチに座って心落ち着かせ 時刻表…12時に「昼ごはん」、15時に「おやつ」
5/11(土) 11:11配信 読売新聞オンライン
 認知症患者らの支援にあたるケアマネジャーが、バス停を模した看板とベンチを三重県明和町に設置した。外出した患者が見知らぬ場所に行き、行方不明になるのを防ぐ狙いだ。「バスの来ないバス停」に座っている人がいれば、地域の人が声をかけて見守ろうという取り組みで、欧州で始まり、国内でも注目されつつある。(松岡樹、写真も)

行方不明防止 交流の場に
 エープリルフールの4月1日、明和町明星で介護事業所を営むケアマネジャーの中村英登さん(52)が、道路に面した自宅兼事務所に、疑似「バス停」を設置した。看板は、趣旨に賛同した県内のバス事業者から譲り受けた。
 時刻表には、12時に「昼ごはん」、15時に「おやつ」と記され、「まずは腰を下ろして、ゆっくりしていって下さい」との文言もあり、本物のバス停ではないことが分かる。
 認知症患者の中には、自宅で生活していても「家族のいる自宅に帰りたい」と思い込んだり、「仕事に行かなければ」と感じたりして、長年の習慣でバス停に向かい、遠くへ行ってしまうケースがある。外出した後、自分が何をしたかったのか忘れてしまう人が多いという。
 中村さんの事務所にも、認知症患者が「仕事に行くために自転車を貸してほしい」と訪ねてきたことがある。どうすれば地域で患者を見守ることができるか、ずっと考えてきた。
 「バスの来ないバス停」は、ベンチに座って心を落ち着かせる効果が期待される。気付いた人が連絡し、行政機関や家族などが迎えに行くこともできる。
 4月10日には、中村さんが、近くの女性2人を「バス停」に招いた。お互いに「バスは来ない」ことを知っていながら「いい天気ですね」「どこに行きたいですか」などと語り合った。中村さんは「まずは地域の人たちが気軽に交流できる場所になれば」と話す。その上で、「長時間ベンチに座っている人がいたら、声をかけてほしい」と呼びかけている。いくら待ってもバスは来ないが、認知症患者のための「優しいうそ」が広まってほしいと願っている。

不明1万8709人 10年で倍
 認知症によるものとみられる行方不明者は年々、増えている。警察庁のまとめでは、2022年は1万8709人で、過去最多だった。12年(9607人)から10年間で約2倍に増えた。行方不明者のうち、491人は死亡が確認された。
 「バスの来ないバス停」と呼ばれる取り組みは、ドイツの老人介護施設で考案され、欧州を中心に広まったとされる。
 愛知県豊橋市のNPO法人「ぽかぽかの森」は21年に、認知症をテーマにしたカフェの敷地内に設置した。バス事業者の協力も得て市内のグループホームに取り組みは広がり、全国の介護事業者などからの問い合わせも増えた。福岡県などでも同様の試みが始まっているという。
 徘徊(はいかい)している認知症患者は、帰るように促されても、すぐに聞き入れないこともある。ぽかぽかの森の杉野友香理事長は「『認知症患者の考えを否定しない』という関わり方を幅広い世代に伝えるきっかけとして効果を上げている」と話している。