会話と共感 | 始まりはアドラー心理学

始まりはアドラー心理学

より、楽しい日々を送るために、
より、ハッピーな人生を過ごすためには、
どうすればいいのでしょうか?
そのための方法論や実践論を考えています。
ちょっと難しい内容かも知れませんが、
みなさんのお役に立てるような情報を伝えていきたいと思います。

「あなたは、他者とのコミュニケーションに苦手意識があります」。
そういわれて、大多数の人は否定しないでしょう。
僕も同じです。
ある意味、コミュニケーションは
人生のメインテーマといえるかも知れません話す

これさえ整えば、人生の全てが丸く収まるような気がするのです手

アドラーがいう通り、人間の幸せと不幸の全ては
対人関係の中にあります。
その対人関係を実際に形作っているのが、
コミュニケーションなのですPhonetoメールする
コミュニケーションとは、
人間関係が互いに意思を疎通し合う事をいいます。
意思を疎通するには、メールやライン、SNSなどの手段もありますが、
最も基本的かつ効果的なのは、口と耳を使っての会話(対話)です。
つまり、これですよね。
僕らの苦手意識は、コミュニケーション全般ではなく、
会話一点に集中しているのです。

仕事上の事務的な会話は問題なくても、
何気ない雑談が上手く出来ないという人は多いはずです。
多分、雑談が苦手な人は、人見知りである確率も高いでしょう。
雑談が上手く出来ないと、
他人と関わる事がストレスになると同時に、
そんな自分に劣等感を抱くようになります表情やれやれ
すると「他人と関わりたくない」という願望が湧き、
その目的を果たすために「会話が苦手だから」と、
無意識に理由付けをするようになってしまうのです。
多分、雑談に苦手意識があるのは、
相手との会話が盛り上がらないからだと思います。
そして、その原因が、自分にあると認知する(思う)からでしょう。
アドラー心理学的にいえば、そういう事になります。

既に述べましたが、会話の主たる目的は、意思の疎通です。
それは、「自分の意思を相手に伝える事」、
「相手の意思を受け取る事」の2つで構成されています。
意思を伝えるには『話す力』、
意思を受けるには『聞く力』が必要です。
この2つがバランス良く身に付いている人ほど、
会話力が高いといえます矢印右斜め上

前回に述べましたが、男性は話を聞く事を苦手としています汗
何故なら、男性は、

「論理的に面白い寂笑」と感じる話にしか興味を示しません。
だから、内容が面白くない話は聞いていられない訳です。
一方、女性には、話を感覚やイメージで楽しむ傾向があるので、
論理性や意味がない会話でも難なく聞く事が出来ますGOOD

あくまでも傾向に過ぎませんが、
男性よりも女性の方が会話で楽しみを感じやすいようです。
それは、会話に対する目的意識の違いにも現れています。
一般的に、男性は何か用がない限り、
進んで誰かと話そうとはしません。
しかし、女性は明確な目的がなくても、
相手に構わず積極的に会話を始めようとしますよね。
それは、何か用を果たすためではなく、
会話その物を目的にしているからです。
女性は、互いに言葉を交わし合い、共感し合うために会話をします。
だから、他人の話をよく聞けるんですね。

一般に『話す力』とは、
自分の意思を言葉に出来る能力だと捉えられています。
より多くの語彙を使い、より解りやすく、
より面白く喋れる能力という事ですね。
反対に『聞く力』とは、相手の話を上手く引き出し、
上手くリアクションし、より会話を大きく、深く、
そして長く続けさせる能力を指します。
以上で優先されるのは『聞く力』の方です。
人間にとって、自分の話を他人に聞いてもらう事は、
大きな快楽(楽しい、面白い)になります音符
相手が「楽しい寂笑」と思えば、
それだけでコミュニケーションは成功といえるでしょう。
もちろん、話す側が相手に快楽を与える事も出来ますが、
そのためには、類い稀なトーク術が必要です。
しかし、巷を見ても、そこまでのレベルにある人は、
極一部しかいません。
話す力には、持って生まれた部分が大きく影響していると思われます。
よって、後天的に身に付けるには、

かなりの時間と労力を要する訳です。
しかし、『聞き上手』になるのは、それほど難しくありません。
持つべきは、ちょっとしたコツと『聞く意欲』だけですGOOD


話を聞くためには、優れた頭脳も難解な理屈も必要ありません。
ただ『質問』して『リアクション』するだけです。
リアクションといえば、「へぇー」とか「えぇー!?」とか、

「そうなんですか!」、「スゴい!」、
「なるほど…」、「マジですか!」、「初めて知った!」
…など、話に対する『返し』を指します。
また、芸人がよく使う『突っ込み』も入りますが、
出来なくても問題ありません手
相手の話に対しては、ただ『共感』と『感嘆』さえすれば、
それだけで普通に会話は盛り上がるはずですアップ

逆にいえば、『共感』のない会話は不毛になります。
聞く側が無反応、もしくはリアクションが薄ければ、
話が盛り上がる訳がありませんガーン 

また、相手の意見や主張を『否定』するのは、
共感とは程遠い行為なのでNGですNG

否定された側が面白くないのは同然の事、
それでは、「話を聞く」意味さえもなくなってしまいます。
さらに、否定した後で持論を述べるのは最悪ですジェスチャーダメ
相手の言葉を「否定して持論を述べる」事は、
指示伝達、相談、議論などでは必要になりますが、
雑談ではマイナス要素にしかなりません。
いや、マイナスどころか、
雑談が持つ主旨その物が破綻してしまいますドンッ

僕には経験がありませんが、
恐らく銀座のホステスさんの『聞く力』は、
かなりの物と思われます。
多分、店のナンバーワンといわれる方ならば、
『達人』の域に入っているんじゃないでしょうかはてなマーク
大体、酔っ払いの話ってのは退屈な物です。
どうでもいい自慢話や、興味のない趣味の話、
偉そうな講釈、仕事の愚痴などに対して、
的確にリアクションし、さらに(つまらない)話を引き出していくのは、
けして簡単な事ではありません。
それは、「面白くない話を聞けない」という傾向を持つ男性としては、
かなりの苦痛でしょうね表情あちゃー

一流のホステスさんには、人並み外れた気配りと
プロならではの『おもてなし』の心があります。
その根底にあるのは、『聞く意欲』と『共感心』です。
まずは、相手に興味を持つ事から始まります。
「知りたい」と思えば、質問にも花が咲きますよねひまわり
そして、次は絶妙なリアクションです。
それも、「相手の気持ちを自分の身として感じたい」、
「共に感覚を分かち合いたい」
…という共感心あればこそ、成せる業です。
この辺りは、アドラー心理学の
『共同体感覚』にも通じる部分があります。

もし、「誰かの役に立ちたい」、
「みんなのために出来る事をしたい」と思うのであれば、
『聞き上手』になるのが一番かも知れません。
話を聞いて貰うというのは、
それだけでも実にありがたい事です。
ただ、聞くというだけで、
何か相手に計り知れない価値を与えているのです。
しかも、聞き上手な人は、世間的に見ると少数派に位置します。
余りいないからこそ、希少価値もある訳です。
多分、どこに行っても引っ張りダコでしょうねたこ

近年は、『会話力』についての書籍が、
書店でも目立つようになっています。
そのためか、『聞き上手』な男性も、
少しずつ増えてきているように感じます。
それでも、苦手意識はなかなか払拭出来ないようですあせる
何しろ、全体の9割以上の人が「自身の会話力に自信がない・・・」、
という程ですからね。
それは、こちら側に『聞く力』と『聞く意欲』があっても、
それだけで会話が上手くいくとは限らないからです。
色々と質問をして、上手くリアクションを取っているつもりでも、
一向に話が広がらず、何の盛り上がりもないまま、
無惨に閉幕してしまう事って多くないですか??

でも、気にする必要はありませんGOOD

こちらの問い掛けに対して、「何をどれだけ語るか?」、
…は、あくまで相手の課題だからです。
そもそもコミュニケーションとは、
人と人との共同作業に他なりません。
会話の成立や盛り上がりには、
相手の『話す力』や『話す意欲』も大きく関わっており、
こちらだけが責任を抱く必要はないのです。

僕自身、『聞く力』を高める努力を長年続けており、
それなりのスキルを身に付けたはずなのですが、
しばしば会話が盛り上がらず、気まずい思いをする事があります。
さらにスキルを高めれば、
そのような事態が減る事は確かだと思いますが、
自分の力だけでは限界があるのは間違いありません。
相手の『話す力』がなければ、
どんなに頑張っても話は広がらないし、
さらに『話す意欲』もなければ、
会話自体が成立しないのも当然なのです。

反対に考えてみれば、よく解るはずです。
もし、自分の『話す力』が未熟であれば、
いくら相手が『聞き上手』であっても、
快適なコミュニケーションにはなりません。
冒頭で述べた「話す力と聞く力のバランス」というのは、

そういう事ですひらめき電球
より多くの人たちと、より快適にコミュニケーションするには、
両方の力が必要になります。
考えてみれば当たり前な事ではありますが、
それを明確に意識している人は、余りいないはずです。
実際、僕自身も長らく気付きませんでした。
これが解ったのは、今さらながら、大きな収穫ですキラキラ

現時点でいえるのは、
他人と会話が盛り上がらなくても気にする必要はない、という事です。
そもそも、会話が苦手な人は多い訳ですし、
中には会話自体が嫌いな人だっています。
それだけ、会話というのは、人間にとって大きな課題という訳ですね。
最も優先するのは、自身の願望だと思いますふふん煙

誰かと「話したい」と思うならば、進んで声を掛けるべきだし、
話したくない人と無理に会話する必要もありません。
やはり、会話上手になりたいのであれば、
どんどん会話するしかないですね。
余りに当たり前過ぎて恐縮ですが、
とにかく場数を踏むのが一番の解決策なのかも知れませんペン